トップ > 第2部 県政の基本方向 > 第1章 重点テーマ > 1 "とちぎの人間力"を高める



社会構造が大きく変化し、人々のライフスタイルなどが多様化する中で、子ども、大人を問わず、規範意識の低下や人間関係の希薄化が進むとともに、人としての誇りや目標が見失われてきていることが指摘されています。
また、女性や高齢者などが、働く意欲があるにもかかわらず、家庭との両立や固定化した雇用システムの関係などから、能力を十分に活かせる環境にあるとは言えず、近年は、若い世代の勤労観も変化してきています。
こうした人たちが、今後どのように自己実現を図り、生涯にわたってどう社会に関わっていくかが大きな課題となっています。
社会の原動力は人にあり、人のありようが社会のありようを変えていきます。
そのため、すべての県民がそれぞれの持つ個性や能力を発揮できる環境づくりを進めることによって、一人の人間として自立し、社会の一員として積極的に活動していく“人間力”に満ちた“とちぎ”を築いていきます。
目指すべき“とちぎ”では、すべての人々が、人に対する思いやりや責任感などを持つとともに、生きることの意味を自覚し、将来の夢や希望に向かって自らの可能性を高め、社会の構成員としてあらゆる分野で活躍しています。
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(1) 人づくりの基礎となる家庭教育を充実する
家庭が子どもの教育の出発点であるという認識のもと、親が手本となって、心身ともに健康で、規律正しい生活習慣や基本的なマナーを身に付けた子どもを育成できるよう、家庭の教育力の向上を図ります。
(2) 人間関係をはぐくむ地域の教育力を向上する
子どもが、地域の様々な大人や仲間とふれあい、地域の産業や文化に親しむことによって、自己を高めるための力や他者を思いやる心をはぐくみ、そして、社会の一員としての自覚が持てるよう、地域の教育力を高めます。
(3) 生きる力をはぐくむ 学ぶことの楽しさや大切さを理解し、子どものうちから、社会のあらゆることに興味・関心を持ち、自らが考え、判断できる人間を育てるため、子どもの多様な能力をはぐくむ学校教育を充実します。
(4) 生涯にわたって学び続けられる環境をつくる 知識だけではなく、創造性や課題解決能力を備え、豊かな心をもって人生を送ることができるよう、いつでもどこでもだれもが、望むときに学べ、そして自己を高めることができる環境づくりを進めます。
(5) 多様な人材があらゆる場面で活躍できる環境をつくる 女性や高齢者、障害者をはじめ、すべての県民が、年齢や性別等にかかわらず、自己の能力や価値観、ライフスタイルに合わせ、就業の場や地域づくりなどを通して社会に参加でき、そして何度でも再チャレンジできる環境づくりを進めます。
「人間力」という言葉には統一的な定義はありませんが、国の報告書などでは、社会や経済を活性化する上でのキーワードとして、しばしば用いられるようになっています。
内閣府の「人間力戦略研究会報告書」(平成15年4月)では、人間力を構成する要素として、「知的能力」(基礎学力や専門的な知識、創造力など)や「社会・対人関係力」(コミュニケーション能力や規範意識、他者を尊重し互いに高め合う力など)などを挙げており、こうした能力を総合的にバランス良く高めることが大切であるとしています。
この総合計画では、こうした考え方などを参考にしながら、すべての県民が、人に対する思いやりや責任感などを持つとともに、生きることの意味を自覚し、将来の夢や希望に向かって自らの可能性を高め、そして社会の構成員として積極的に参画することができる、いわば「人として生きる力(人間力)」を高めていくことを目指しています。
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