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(1) 自然環境保護事業 自然環境保全及び自然保護意識の高揚のための普及啓発、調査等を実施した。 (2) 自然環境保全地域等の指定 「自然環境保全法」及び「自然環境の保全及び緑化に関する条例」に基づき、優れた自然環境を持つ地域を自然環境保全地域に、また、市街地周辺地及び歴史的・文化的遺産と一体となった緑地を緑地環境保全地域に指定している。15年度までに国指定の自然環境保全地域1か所を含め、41か所5,355haの指定を行った。 (表3−1−1)
表3−1−1 自然環境保全地域等指定状況 (16年4月1日現在) (3) 自然(緑地)環境保全地域の整備
自然(緑地)環境保全地域に指定されている地域(図3−1−2)の案内標識等を整備して、優れた自然環境の保全に努めた。 (4) 生息地等保護区の指定
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づき、大田原市羽田地区のミヤコタナゴの生息地(60.6ha)が6年12月に全国で初めて生息地等保護区に指定された。 (5) 自然環境調査
12〜14年度に作成した基礎調査書をもとに、「とちぎの自然」をテーマにしたテーマ展を開催し、本県の自然環境に関する情報発信と普及啓発を図るとともに、県版レッドデータブックの作成に向けて、基礎調査の結果を踏まえて、掲載種選定のための調査等を行った。 平地林は、緑豊かなふるさと栃木を代表する景観であり、大気の浄化、防音、防風等の公益的効用に加え、生活に潤いを与える身近な緑の供給地としても重要な役割を果たしており、13年度末現在(13年度に実態調査実施)の面積は、約70千haとなっている。 (7) 保安林の指定
保安林は、水源のかん養、災害の防止、自然環境の保全・形成及び保健休養の場の提供等重要な役割を果たしており、15年度末現在の栃木県内の指定面積は、約17万1千haとなっている。 (8) 足尾の森林整備
度重なる山火事、銅山の煙害等により植物が枯死し、裸地化した荒廃地の復旧を図るため、治山事業により山腹基礎工、緑化工、植栽工を実施し、森林造成を進めている。 生物多様性の観点から重要な地域である湿原を保全するため、水文、気候等の調査及び湿原かん養水確保対策等の保全対策を行っている。 (10) 自然とのふれあいの推進 豊かな自然とのふれあいを通して、自然のしくみや大切さを理解するために自然観察会や野鳥観察会を開催するほか、自然体験プログラムの普及や人材の育成等を実施している。 (11) とちぎふるさと街道整備事業
2年4月に「とちぎふるさと街道景観条例」を施行し、同年6月に条例に基づき那須・塩原街道景観形成地区を指定し、12年12月に指定地区を拡張した。ここでは、街道景観形成基準に基づく指導を行い、「みどり豊かな栃木県」のイメ−ジにふさわしい街道景観の形成を図っている。 (12)田園自然環境保全・再生支援事業 農村地域における、水田等の農地・水路・ため池等の二次的自然は、有機的に連携して多くの生物相を育み、多様な生態系や自然環境を形成している。これら田園自然環境の保全・再生を行うための地域の自主的な活動を支援している。
図3−1−2 自然(緑地)環境保全地域の指定状況(16年4月1日現在)
自然公園(日光国立公園及び8つの県立自然公園)の優れた風景地を保護するため、各種行為の規制等を行うとともに、快適な利用を確保するための施設整備、利用者に対する適正利用の指導等を行っている。 (1) 自然公園管理事業 公園計画に基づく特別地域などの地域指定により各種行為の規制を実施するとともに、利用者に対する適正利用の指導等を行った。 (2) 県立自然公園フレッシュアップ事業 益子県立自然公園道祖土集団施設地区の再整備として、同地区の利用拠点となるトレイルセンター周辺園地の整備(植栽)、駐車場改修及び森林整備を実施した。 (3) 自然公園等施設整備事業
自然公園の快適な利用促進を図るため、歩道、園地等の整備を行った。 (4) 那須・塩原エコアップ事業
日光国立公園那須・塩原地域において、「人と自然との豊かなふれあい」「人と自然との共生の確保」を図るため、優れた自然を保全するとともに、自然体験の場を整備した。 (5) 自然環境共生型施設整備事業
国立公園等の優れた自然環境の保護と利用の促進のため、自然とふれあう施設の整備に当たり、自然景観や生態系に配慮した施設整備を推進した。 (6) 国際観光地「日光」活性化対策事業
我が国を代表する国際観光地「日光」の活性化を図るため、日光市中宮祠地区において基盤整備等を行った。 (7) 奥日光環境保全対策事業 国際観光地「日光」活性化事業で整備した、日光中宮祠地区の県営駐車場、湖畔園地、イタリア大使館別荘記念公園、中禅寺湖畔ボートハウス等の管理運営を行った。
野生鳥獣は、自然環境を構成する重要な要素の1つであり、自然環境を豊かにするものであると同時に、農林水産業の振興及び生活環境を快適にする上で、欠くことのできない役割を果たすものである。したがって、鳥獣の生息状況、生態等を考慮して計画的、効果的な鳥獣保護の施策を進め、自然環境の保全を推進する。 表3−1−2 鳥獣保護区等の設定状況 (16年3月31日現在)
本県の緑地(農用地を含む。)は、県土の約80%を占め、全国的にも緑に恵まれた環境にあるが、その現状は、人口の集中化や都市化の進展に伴う緑の減少、緑資源の大部分を占める森林の手入れ不足等、緑を取り巻く環境は、必ずしも楽観を許さない状況にある。
樹木の育成は、厳しい自然環境の中で長期間にわたって行われるため、各種の病虫害にかかる場合があり、しかも、ひとたび被害を受けると、その回復が非常に困難である。特に、昭和50年に発生した松くい虫の被害は、昭和55年度にピークとなり、その後被害対策の効果等により減少してきているが、ここ数年若干増加傾向にあり、依然として被害が発生しているため、地域が主体となり、地域の実情に応じた、きめの細かい被害対策を通じて松の緑を守ることが重要な課題となっている。
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