III 地球環境の保全に貢献する社会づくり

地球温暖化オゾン層の破壊、酸性雨などの地球環境問題は、人間の社会経済活動による環境への負荷が長年にわたって蓄積されてきたことにより生じたものであり、私たち一人ひとりの行動に深く関わる人類共通の課題です。私たちは、地域における環境保全への取組が地球環境を守る上での重要な役割を持つことを認識し、地球にやさしい行動を実践していく必要があります。

県は、地球環境問題の解決に向け、地域からの取組を着実に実施することなどにより、地球環境保全に貢献する社会づくりを進めていきます。

1 地球環境問題の現状

1地球環境問題とは

地球環境問題には、様々なものがありますが、典型的なものとしては、次の9つの問題があります。

  1. 地球の温暖化
  2.  
  3. オゾン層の破壊
  4.  
  5. 酸性雨
  6.  
  7. 森林(特に熱帯林)の減少
  8.  
  9. 野生生物の種(生物多様性)の減少
  10.  
  11. 砂漠化
  12.  
  13. 海洋汚染
  14.  
  15. 有害廃棄物の越境移動
  16.  
  17. 開発途上国における環境問題

2国際的な取組

4年に世界の首脳レベルが集まり、「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」が開催され、「持続可能な発展」を実現するための21世紀に向けた具体的な行動計画として「アジェンダ21」を採択し、現在の地球環境問題への取組の出発点になりました。

9年12月に京都で開催された「気候変動枠組条約第3回締結国会議(COP3:地球温暖化防止京都会議)」では、先進各国に対する二酸化炭素などの温室効果ガスの排出削減目標を定めた「京都議定書」が採択されました。

我が国では、14年6月に京都議定書を締結しました。その後、ロシアが京都議定書を批准したことを受け、17年2月に京都議定書が発効しました。

3 我が国の取組

5年に、地球温暖化も含めより総合的に環境対策を行うための「環境基本法」が制定されました。

10年には、「地球温暖化対策の推進に関する法律(地球温暖化対策推進法)」が制定され、14年3月に「地球温暖化対策推進大綱」の改訂、6月には「地球温暖化対策推進法」の改正を行い、17年2月の京都議定書発効を受けて、4月に「京都議定書目標達成計画」を策定しました。

オゾン層保護については、昭和63年5月に制定された「オゾン層保護法」によりフロン類の生産規制が行われてきましたが、13年6月には、業務用冷凍空調機等に含まれるフロン類の廃棄時の回収・破壊を規定した「フロン回収破壊法」が制定され、フロン類の大気への放出が禁止されるとともに、適正な回収・破壊が行われています。

地球温暖化の仕組み

地球温暖化の仕組み

地球上の気温は、地表から放射された熱を吸収し再放射する二酸化炭素などの「温室効果ガス」の働きにより、適度な温度に保たれています。しかし、産業革命以降、化石燃料の大量消費など人間の活動により室温効果ガスが大量に発生し、地球上の気温が上昇しています。これが地球温暖化です。


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