○栃木県文書等管理規則の制定及び栃木県文書取扱規程の全部改正について

平成13年3月30日

文学第527号

総務部長通知

本庁各課室長

各出先機関の長

栃木県文書等管理規則(平成13年栃木県規則第17号。以下「規則」という。)が制定され、また、栃木県文書取扱規程(昭和51年栃木県訓令第5号)栃木県文書等取扱規程(平成13年栃木県訓令第1号。以下「規程」という。)に全部改正され、4月1日から施行されます。貴職におかれましては、下記事項に留意するとともに、所属の職員に周知を図り、この規則及び規程の運用が適正に行われるようにしてください。

第1 規則等制定の経緯

文書等の取扱いについては、栃木県文書取扱規程に必要な規定を設け、文書等の適正管理を進めてきたところですが、平成12年4月に情報公開条例が施行され、同条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理する旨規定されました。

そこで、文書等の管理に関する定めについて、県民に対し明らかな制度として位置付けるため、内部的な定めである「訓令」のみでなく、文書管理の基本的な事項に関しては、「栃木県文書等管理規則」を制定することとしました。

また、平成13年度から、本庁において文書管理システムが本格的に稼働するため、新たな文書等の取扱いについての規定や文書事務の現状に合わない部分等を見直した規定を盛り込んで、「栃木県文書等取扱規程」を全部改正することとしました。

第2 現行の文書取扱規程との相違点

1 現行規程で定義されていなかった、「文書等」の範囲を明らかにしました。(規則)

2 保存年限の区分及び基準を見直し、永年を長期に変更するとともに、新たに1年未満の保存年限を設けました。(規則)

3 本庁での文書管理システムの導入に伴い、その位置付けをしました。(規程)

4 文書管理票を廃止し、文書管理システム又は文書管理簿で収受文書の進行管理を行うこととしました。(規程)

5 施行文書には、施行文書番号簿を用いて施行番号を付すこととしました。(規程)

6 その他文書事務の簡素化等のため所要の見直しをしました。(規程)

第3 栃木県文書等管理規則の運用について

第1条(目的)関係

この規則は、知事が保有する文書等の管理に必要な基本的事項を定めたものです。

なお、文書等の具体的な取扱い方法等は、規程で定めます。

第2条(定義)関係

1 この規則の対象となる「文書等」は、行政事務を処理するために取得し、又は作成した文書、図画及び電磁的記録で、情報公開条例における「公文書」が一般に入手可能な書籍等を適用除外としている点を除き、両者は一致します。

2 電磁的記録については、書式情報(文書の体裁に関する情報)を含めて磁気ディスクに記録されているものを規程において電子文書と定義し、その取扱いを定めましたが、電子情報(電子文書を除き、コンピュータ処理可能な状態で磁気ディスク等に記録されている電磁的記録。情報処理に用いられるもの)については、栃木県行政情報システム運営規程(平成12年栃木県訓令第8号)の規定に基づき適正に管理してください。

第4条(文書等の管理体制等)関係

1 第1項及び第2項は、総務部文書学事課長(以下「文書学事課長」という。)を本庁及び出先機関における文書事務の総括者と定めるとともに、その職務内容を明らかにしました。

2 第4項は、本庁及び出先機関における文書事務の適正かつ円滑な処理の促進を図るため、主管課長及び出先機関の長(以下「所属長」という。)を文書事務の統括者として定めたものです。

3 第5項は、所属長の補助者として、文書管理主任の設置を定めたもので、その職務内容については、規程第5条に定めました。

第6条(文書等の作成)関係

1 第1項は、本庁及び出先機関の事務処理に当たっては、正確性の確保、責任の明確化の観点から記録に残すものとし、文書等を作成しなければならない旨明らかにしたものです。

2 第2項の「軽易な事案」とは、文書等を作成しなくとも職務上支障がない事案であり、単なる照会、問い合わせに対する応答や日常的業務の連絡及び打ち合わせなど、文書等に記録を残すことを要しない事案です。

第8条(文書等目録等の作成)関係

本条は、第7条の規定に基づき分類及び整理した文書等の目録等を所属長が作成しなければならない旨定めたものですが、保存年限が1年未満の区分のものは、目録等の作成の対象にはなりません。

文書等の目録等とは、規程に定めるファイル基準表、保存・保管文書台帳、索引目録等を指します。

第9条(完結文書の保存年限)関係

1 第1項は、完結文書の効率的な整理又は保存等の観点から、現行の永年の区分を長期に変更し、また、1年未満の区分を新たに設けたものです。

具体的な保存年限は、別表を参考として、事務及び事業の性質、内容、効果等に応じ所属長が定めるものとします。

2 長期保存文書は、10年を超えて保存する文書等に有期限の保存年限を具体的に設定することとします。ただし、必要に応じて永年の保存年限を設定することも妨げません。この場合には、保存年限の見直しを必ず行ってください。

3 保存年限の変更ができる完結文書は、当初に定めた保存年限が到来する前に完結文書の効果や利用することがなくなった場合、又は保存年限を超えてその効果等が継続しており、さらに期限を定めて保存する必要がある場合などです。

4 第3項に規定する完結文書に該当するものとしては、訴訟(係争中)に関係するもの、不服申立に関係するもの及び情報公開の請求の対象となっているもの等であり、その事務処理に必要な期間が経過するまでの間保存するものとします。

5 第5項の随時又は定期的に更新する文書等(常用文書)とは、事務室内に常備しておく台帳類(利用している間は完結という概念がなく、複数年度にわたり継続して利用する簿冊・バインダー等、常時内容を追記したり、差し替えたりしていくもの)で、保存年限を定めずに保管することとなります。第10条第4項に規定する日常の業務で継続的に利用するための完結文書とは性質の違うものです。

第10条(保管及び保存)関係

1 第1項及び第2項は、完結していない文書等及び1年未満の保存年限を定められた完結文書を除いて保存年限の起算日から1年間事務室内で保管すべき旨定めたものです。

2 第3項は、1年間保管した完結文書を保存年限が到来したものを除いて、本庁にあっては主管課長が文書学事課長に引き継ぎ、出先機関にあっては置き換えを行い、それぞれ指定する書庫等の適切な場所で廃棄が行われるまでの間保存すべき旨定めたものです。

3 第4項は、業務上の利便性を考え、利用頻度の高い完結文書については、引継ぎ又は置き換えをすることなく、事務室内で保管できる(継続保管文書)旨定めたものです。

第11条(完結文書の廃棄)関係

1 本条は完結文書の廃棄に関して規定したものですが、完結文書を廃棄する際には、情報公開条例に規定する非開示情報や、個人情報が記載されている文書等には細心の注意を払い行うものとします。

2 第4項は、廃棄対象となる文書等のうち、歴史的又は栃木県の沿革にかかわるもので後世に残すべき財産としての価値を有するものは、栃木県教育委員会所管の栃木県立文書館等の適切な管理ができる施設に移管することができる旨定めたものです。

第4 栃木県文書等取扱規程の運用について

第1条(趣旨)関係

この訓令は、文書等の管理の基本的事項を定めた栃木県文書等管理規則の規定に基づき、文書事務の処理に当たって必要な取扱い等を規定したものです。

第3条(文書管理主任)関係

本条は、規則第4条第5項の規定により、主管課又は出先機関に置くこととされている文書管理主任に充てる者を規定したものです。栃木県行政組織規程に規定する、本庁にあっては総括課長補佐、出先機関にあっては総括所長補佐に相当する職にある者とします。

第5条(文書管理システムの利用)関係

本庁における文書等の処理については、原則として文書管理システムを利用しなければならない旨規定したものです。ただし、財務会計システム等、特定の業務システムで文書等を処理する場合には、他の方法により文書等の処理ができるものとします。

第12条~第16条 収受関係

本庁での文書管理システムの運用開始や事務の簡素化の観点から、文書管理票を廃止し、本庁においては文書管理システムを利用して、出先機関においては文書管理簿を使用して収受文書の進行管理をします。なお、同一事案で1度に多数収受する文書等がある場合には、必要に応じて補助簿を作成し用いることもできるものとします。

文書管理システムを利用しての収受文書の進行管理の方法は、文書管理システムのマニュアルを参考にしてください。

第17条(起案)関係

文書管理システムの運用開始にともない、本庁においては、文書等により起案する場合は、文書管理システムを利用し回議書等を作成することとなります。作成方法については、文書管理システムのマニュアルを参考としてください。

また、ワープロ、パソコンを利用しての回議書作成が多くなったことから、本庁と出先機関の様式を統一しました。この場合、出先機関においては取扱要領、保存年限、ガイド(記号・番号のみでもよい)等所要の事項を必ず記載してください。なお、説明や経過等必要事項は回議書に添付する形で作成してください。

第28条(電子決裁)関係

本庁においては、平成13年度から文書管理システムの運用が開始され、電子決裁が可能となりますが、その取り扱いについては、電子文書取扱要領により定めることとします。

第33条(文書等の記号及び番号)関係

施行する指令、通達、依命通達、その他の文書等には、施行文書番号簿により文書番号を付すこととしました。備考欄には必要に応じて施行者名等を記入するものとします。なお、同一事案で1度に多数施行する文書等がある場合には、必要に応じて補助簿を作成し用いることもできることとします。

第35条(浄書等)関係

浄書(清書)については、OA機器の発達により、浄書の要請が少なくなっているため毛筆浄書など特別な場合を除き、原則として起案者が適切な方法により実施するものとします。また、本庁における浄書等については、文書学事課長が集中処理を適当と認めるときには、文書学事課において行うこととします。

第36条(公印の押印)関係

1 契印の押印については、法令等により押印することが定められている場合等を除き、事務の簡素化の観点から条文中から削除しました。

2 公印の省略できる文書は次のとおりとします。

(1) 本庁若しくは出先機関に発する文書

照会、回答、通知、報告、依頼、進達等、ただし、通達、依命通達、知事名で発する文書、様式で押印を求められている文書、その他内容が特に重要な文書は除く。

(2) 本庁若しくは出先機関以外に発する文書のうち軽易な文書

権利、義務の発生に係わりのない軽易な文書で、各種事務内容などの照会・回答、定例的な通知・報告、資料の送付依頼等、辞令・指令書・申請書・証明書等の送付書、資料、パンフレット、刊行物等の送付書

(3) あいさつ文

(4) 書簡文

なお、回議書の取扱要領欄には「公印省略」と表示してください。また、施行文書には、「公印省略」と表示せず、発信者名を右側に寄せ、終わりを1字分空けてください。

第37条(文書等の発送)関係

本庁及び出先機関における文書等を発送する者を明確にしたものですが、主管課及び出先機関での電子メールの発送については、電子文書取扱要領に基づき処理してください。

第43条(ファイル基準表)関係

1 ファイル基準表に掲載するものは、1年以上の保存年限を定めたものとします。

2 本庁においては、文書学事課でファイル基準表の情報を文書管理システムに登録する必要上、当該年度の前年度末までにファイル基準表を提出してください。出先機関においては4月末日までに主管課及び幹事課を経由して提出してください。

3 本庁においてファイル基準表に変更がある場合には、文書管理システムのマニュアルを参考に変更登録をしてください。

第45条(完結文書の整理)関係

完結文書と一体的に整理できる記録媒体等のうち、文書に直接添付することができない記録媒体等については、所属長が保管場所を定め、完結文書とは別に整理・保管することとします。この場合、年度ごとに収納ケース等に整理し、回議書又は供覧書の余白に媒体の種類及び保管場所を記載しておきます。

記録媒体等のみで完結した場合には、録音テープ、ビデオテープ、フロッピーディスク等に張るラベルには、完結年度、分類記号、保存年限及び標題等を記載し、所属長が定める場所に保管するものとします。

第52条(保存文書の持ち出し)関係

規則第4条第4項の規定により所管する文書等の統括者を主管課長としたことから、文書学事課長が管理する書庫から、引き継がれた文書等を書庫以外の場所で閲覧利用する場合を借覧から持ち出しと改めました。この場合においても事務室で完結文書を適正に閲覧、利用しなければなりません。

第58条(秘密文書の指定等)関係

秘密文書の指定に当たっては、安易に文書等を秘密文書扱いにし、県民が県政に対し不信感を抱くことのないように、十分配慮してください。

また、秘密文書の浄書等を行う際には、所属の職員が立会いの上実施するものとします。

第5 電子文書取扱要領等の制定等

今回の規則等の制定等に伴い、電子文書取扱要領等を別紙のとおり制定又は全部改正しましたので、各要領に基づき適切な運用が図られるようにしてください。

栃木県文書等管理規則の制定及び栃木県文書取扱規程の全部改正について

平成13年3月30日 文学第527号

(平成13年3月30日施行)

体系情報
第1編 務/第3章 文書学事
沿革情報
平成13年3月30日 文学第527号