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更新日:2011年2月18日

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平成23年2月議会知事説明要旨

第305回県議会定例会 知事説明要旨  (平成23年2月18日)  栃木県

 第 305回県議会定例会の開会に当たりまして、県政運営に当たっての所信の一端を申し述べますとともに、平成23年度予算案、平成22年度補正予算案並びにその他の議案等につきまして御説明申し上げます。

〔県政運営の基本方針〕

 人口減少、少子高齢化、経済のグローバル化など、これまで、社会構造の変化を表してきた言葉が、一つひとつ私たちの生活に現実の姿となって現れています。
 また、一部に持ち直しに向けた動きが見られるものの、依然として厳しい雇用環境など、経済情勢は引き続き予断を許さない状況にあります。
 このような、激しく流動する社会経済状況下にあって、時代の行方を見誤ることなく、とちぎに更なる元気を生み出し、次の世代へと引き継いでいくことが私に課せられた使命であり、そのためには、過去の経験や前例のみにとらわれることなく、清新な発想で県政運営に当たらなければならないと考えております。
 そこで、今後5年間の県政の羅針盤として、去る15日に決定した栃木県重点戦略「新とちぎ元気プラン」は、本県の現状と可能性、潜在力をしっかりと見定めた上で、限られた行財政資源を有効に活用しながら、県民益の最大化を追求していくため、とちぎづくりの原点である「人づくり」を着実に推し進めることを第一に、思い切った「選択と集中」による政策の重点化を基本として策定に当たって参りました。
 また、私たちのとちぎが元気であふれるためには、県民、各種団体、企業、行政などあらゆる主体が参画し、ともに汗を流す協働の取組を更に前進させ、「新たな時代の“公”を実現する」ことが不可欠であります。そのため、「地域をともに創る」という考え方に立ち、「県民一人ひとりが主役となるとちぎ」、「多様な主体が協働・創造するとちぎ」、「地域が自立・発展するとちぎ」の3つを基本姿勢として、とちぎづくりを進めることといたしました。
 私たちが目指すのは、県民一人ひとりが個性や能力を十分に発揮して真に輝き、健やかに安心して暮らすことができ、地域に活力があふれ、自然と共生し、恵み豊かな環境を次世代へと守り伝えていく、住む人々が住み続けたいと思い、訪れる人々が住んでみたいと思うとちぎであり、「「安心」「成長」「環境」をともにつくる、元気度 日本一 栃木県」であります。
 そして「元気度 日本一」とは、とちぎの総合力を高めることで達成される、私たちの未来そのものと考えております。
 このため、「新とちぎ元気プラン」の初年度となる平成23年度当初予算につきましては、「元気度 日本一 栃木県」の実現に向けた力強いスタートを切るべく、政策の基本「人づくり」及び3つの重点戦略に掲げるプロジェクト等に着手するとともに、現下の最重要課題である経済・雇用対策にも積極的に対応することとして編成いたしました。
 また、県の総合力を高め、県民満足度の高い県政を実現するためには、強固な行財政基盤の確立が必要でありますことから、同じく平成23年度を初年度とする「とちぎ行革プラン」の推進により、内部努力の徹底など、更に一段の改革に取り組む考えであります。
 次に、鳥インフルエンザについてであります。
 去る14日に宇都宮市徳次郎町で回収したハヤブサの死骸から、A型インフルエンザウイルスの簡易検査により陽性反応が認められました。
 現在、高病原性を確認するための検査を実施中でありますが、県といたしましては、野鳥回収場所の消毒を速やかに実施し、県内全域における野鳥の監視等を強化するとともに、半径10km以内の養鶏農場等に立入調査を行い、家きんに異常がないことを確認した上で、防鳥ネット等の状況を改めて点検し、必要な指導を行いました。
 また、ウイルスの侵入防止を図るため、県内の家きん飼養者 270戸に消石灰を配付しているところであり、引き続き、県を挙げて鳥インフルエンザ対策に万全を期して参ります。
 次に、全国都道府県対抗男子駅伝競走大会における本県チームと、大阪国際女子マラソン大会における赤羽有紀子選手の優勝についてであります。
 去る1月23日に広島市で開催された天皇盃第16回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会において本県チームが、また、同30日に開催された第30回記念大阪国際女子マラソン大会において、本県出身で、県内に活動の拠点を置く赤羽有紀子選手が優勝されました。中学生から社会人までの選手のチームワークで、関東以北のチームとしては初めて優勝を勝ち取った「駅伝チーム」と、第30回の記念大会をマラソン初優勝で飾った赤羽選手の快挙は、県民に元気と活力を与えるとともに、とちぎの「人の元気」を全国に発信するものでありました。
 県といたしましても、スポーツ功労賞を贈り県民の皆様とともに栄誉を讃える考えであります。
 次に、北関東自動車道の全線開通についてであります。
 来る3月19日、午後3時の佐野田沼インターチェンジから太田桐生インターチェンジ間、延長18.6kmの開通によって、平成5年の事業着手以来18年越しの県民の夢が、今まさに実現しようとしております。県といたしましては、東日本高速道路株式会社や沿線市町村を始め、茨城県、群馬県、さらには福島県、新潟県とも連携しながら、広域交流の輪を広げ、地域の活性化を図る考えであります。
 今回の全線開通によって、更なる「産業の元気」と「元気な地域」の実現を目指して参ります。
 次に、「とちぎのふるさと田園風景百選」についてであります。
 本県の誇れるふるさとの風景を百年後にも引き継いでいくため、多くの県民の皆様から応募をいただいた中から、先般、 102地域を選定し「とちぎのふるさと田園風景百選」として認定いたしました。
 これを契機といたしまして、県民の皆様とともに先人たちから引き継いだ「元気な自然」、「元気な地域」を守り伝えて参りたいと考えております。
 平成23年度は「新とちぎ元気プラン」の開始とともに、「人の元気」、「産業の元気」、そして「元気な自然」、「元気な地域」にあふれるとちぎづくりの第一歩を踏み出す年となります。
 県民の皆様並びに県議会議員各位の更なる御理解とより一層の御支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

〔平成23年度予算編成の基本的な考え方〕

 次に、平成23年度予算編成に当たっての基本的な考え方を申し上げます。
 国の地方財政計画においては、依然として大幅な財源不足が見込まれる中、「財政運営戦略」において策定した「中期財政フレーム」に基づき、地方一般財源総額について、実質的に平成22年度の水準を下回らないように確保することとされ、地方交付税が 0.5兆円増額されましたが、一方で、臨時財政対策債が大幅減となったところであります。
 こうした中、本県の財政は、高水準にある県債の償還や医療福祉関係経費の増加等により極めて厳しい状況にありますことから、「とちぎ未来開拓プログラム」に基づき、自律した行財政基盤の確立に向けた取組を進めております。
 平成23年度の県税収入は、県内景気に持ち直しの動きが見られることから増額が見込まれる一方、臨時財政対策債が大幅に減少するため、一般財源総額は平成22年度と同程度の確保に留まる見込みであります。
 こうしたことを踏まえ、平成23年度は、プログラムに掲げた取組を引き続き実行していくことにより、可能な限り基金の取崩し額を圧縮しながら、現下の最重要課題である経済・雇用対策に積極的に取り組むとともに、栃木県重点戦略「新とちぎ元気プラン」の初年度として、プランに掲げた各種施策の着実な推進を図ることといたしました。
 次に、重点を置いて予算編成に取り組んだ、特徴的な6項目について、御説明申し上げます。
 第一は、政策の基本「人づくり」であります。
 まず、一人ひとりが自立し、それぞれの夢や希望の実現に向け挑戦していく人づくりについて申し上げます。
 小学校第1学年における35人学級の導入のため、教職員を57人純増するとともに、本県独自の少人数学級を維持し、教育環境の充実を図ることといたしました。
 また、子どもたちの確かな学力の向上を図るため、国の「全国学力・学習状況調査」を踏まえた本県独自の調査のあり方等について調査・研究を行うとともに、スクールカウンセラーの活用等によるいじめ・不登校対策に引き続き取り組むほか、なわとびを中心とした子どもたちの体力向上を全県的に図って参ります。
 さらに、高等特別支援学校の整備に向けた基本計画の検討を行いますとともに、宇都宮工業高等学校につきましては、本年夏に工事が完了し、9月から新校舎での授業を開始いたします。
 次に、多様な個性や能力を活かすための人づくりであります。
 国の交付金により創設する新たな公の担い手支援基金を活用し、県民の社会貢献活動への参加を促進するとともに、NPO・ボランティア団体や企業などとの協働を行うに当たってのルールづくり、多様な主体の出会い・協議の場である「とちぎ地域力創造プラットフォーム」の設置・運営や、情報共有の場としてのウェブサイトの構築などに取り組むことといたしました。
 次に、文化・スポーツを通じた人づくりであります。
 文化振興基金の活用により文化活動の担い手の育成などを支援するとともに、野木町が行う国指定重要文化財「旧下野煉化製造会社煉瓦窯」の緊急補修工事に対し助成することといたしました。
 また、本年11月、全国スポーツ・レクリエーション祭「スポレク“エコとちぎ”2011」を開催するとともに、平成26年度に本県で開催される全国健康福祉祭の開催準備に着手いたします。総合スポーツゾーンにつきましては、引き続き、全体構想策定に向けた整備・運営手法の比較検証などを行って参ります。
 さらに、スポーツ振興くじ助成金を活用し、グリーンスタジアムの得点掲示板の改修を行い、新たに動画の表示が可能な大型映像装置を導入することといたしました。
 第二は、「重点戦略1 暮らしを支える安心戦略」であります。
 まず、安心の子育て環境づくりプロジェクトについて申し上げます。 保育所の整備による入所定員の増加、病児・病後児保育、延長保育、休日保育など保育サービスの充実に努めますとともに、放課後児童クラブ等の運営や市町村の創意工夫ある子育て支援などに対し、助成して参ります。
 また、深刻化する児童虐待問題への対応として、児童相談所及び市町村における子どもの安全確認のための体制強化等を図りますとともに、児童福祉施設の整備や児童養護施設を退所した児童等の自立援助に対し支援するなど、子どもを守り育む体制づくりを推進していくことといたしました。
 さらに、通学路の歩道について、平成22年度2月補正予算における前倒し整備と合わせ、約32.5kmを整備するとともに、引き続き県立学校の耐震化を推進して参ります。
 次に、地域でつくる福祉環境プロジェクトであります。
 特別養護老人ホーム等の施設整備に対し助成するほか、福祉・介護職員の賃金引き上げや人材マッチング支援等による福祉・介護人材の確保を図って参ります。
 また、新たに、高齢者見守りネットワークの構築など地域における支え合い体制づくりに対する支援や高齢者に配慮した多様な住まいの確保のための取組を進めるとともに、障害者が地域で暮らせる体制づくりのため、事業所支援、新たなサービスへの移行支援、工賃倍増5か年計画の推進などを通じた就労支援や在宅の精神障害者に対する訪問支援を実施することといたしました。
 次に、元気で健やかな暮らし実現プロジェクトであります。
 がん総合対策、生活習慣病予防対策、新型インフルエンザ対策を引き続き推進するとともに、新たに栃木県民の歯及び口腔の健康づくり推進条例に基づく各種施策及び子宮頸がん等ワクチンの接種の促進に取り組むことといたしました。
 また、地域医療再生基金の活用等により、医師不足をはじめ地域医療が抱えている課題の解決を図るとともに、がんなど4疾病に係る県内統一地域連携クリティカルパスの作成・運用や広域対応訪問看護ネットワークセンター事業等により、在宅医療の推進に努めて参ります。
 さらに、県民等からの幅広い寄附を原資として創設するとちぎ安心医療基金等により救急医療体制の充実を図るとともに、地域の中核的な医療機関であり、災害拠点病院でもある大田原赤十字病院や上都賀総合病院等の建替などに対し、支援して参ります。
 総合的な自殺対策の推進につきましては、地域自殺対策緊急強化基金を活用し、新たに精神科医とかかりつけ医の連携促進等によるうつ病医療体制の強化を図ることといたしました。
 次に、地域コミュニティ再生プロジェクトであります。
 集落支援員の配置等により、中山間地域の集落における地域コミュニティの維持・再生に向けた市町村の取組を支援するとともに、自主防犯団体のネットワーク化などを引き続き推進して参ります。
 また、路線バスなどの生活交通の維持や改善・再構築の取組に対し助成し、地域における移動手段の確保にも努めて参ります。
 次に、日々の暮らしの安全・安心実現プロジェクトであります。
 消費者行政活性化基金を活用し、相談員の養成等による消費生活相談の機能強化、消費者団体や若者との協働による啓発などに取り組むことといたしました。
 また、交通事故抑止のため、信号機新設や事故防止効果の高い高輝度標識・標示の整備を進めて参ります。人口10万人当たりの交通事故死者数全国ワースト1位返上のため、平成22年度2月補正予算でも事業の一部前倒しにより対応することとしたところであります。
 さらに、本年4月に業務を開始するとちぎ男女共同参画センター北館等を活用し、配偶者等からの暴力被害者等に対する相談・自立支援の充実を図るほか、引き続き県有建築物の耐震化を進めて参ります。
 第三は、「重点戦略2 明日を拓く成長戦略」であります。
 まず、パワーアップとちぎプロジェクトについて申し上げます。
 自動車など重点振興産業5分野における産学官のネットワークを活用した中小企業の人材育成・確保、研究開発、販路開拓等の支援を行うとともに、戦略的な企業誘致の一層の推進を図るため、新たに、企業立地等の補助金について生産設備を補助対象に追加するほか、制度融資について、これまでの実績を上回る融資枠を確保したところであります。
 また、新たに東京事務所に「栃木県企業誘致・県産品(とちぎのいいもの)販売推進本部」を設置し、県産品の販路開拓・拡大や企業誘致のための営業活動を強力に展開することといたしました。
 さらに、力強い農業の推進を図るため、新規就農者数の拡大や定着促進、地域農業と調和した企業参入の取組を支援するとともに、農業関係試験場の再編整備を進めるほか、生産流通施設の整備や「水田経営とちぎモデル」の実践、いちご栽培の新たなシステムの実証モデル整備、園芸産地の収益力の向上、加工・業務用需要への対応強化などの取組に対する支援を行って参ります。
 次に、フードバレーとちぎプロジェクトであります。
 フードバレーとちぎの実現に向け、ネットワーク形成や全国に向けた情報発信などを行うとともに、地元金融機関や大学等と連携した新商品開発、国内外における見本市や商談会への出展による販路開拓、食品加工に適した新品種等の開発や農業の6次産業化、県産農産物の需要創出等による関連産業の高付加価値化を図って参ります。
 さらに、積極的な企業誘致を図るため、生産設備に対する新たな補助制度において、フードバレー関連産業を対象とする優遇措置を設けることといたしました。このほか、フードバレーとちぎ農商工ファンド及びとちぎ未来チャレンジファンドによる新商品開発、販路開拓等に対する支援も行って参ります。
 次に、観光立県とちぎづくりプロジェクトであります。
 観光人材の育成を図るとともに、観光客の滞在時間の長期化等に向けた旅行商品の開発及び多言語表記の観光案内板等の整備に対し助成するほか、那須高原地域及び日光中宮祠地区において、渋滞解消のための社会実験を行うなど、魅力あふれる観光地づくりを推進して参ります。
 また、東京スカイツリータウンに設置するアンテナショップにつきましては、平成24年春のオープンに向け、共同設置者である市町村と連携しながら、準備に万全を期して参ります。さらに、台湾、中国など東アジアをターゲットに誘客を推進するほか、新たに観光関連企業の施設・設備整備や新事業展開に対する金融支援として、「観光とちぎ元気づくり融資」を創設することといたしました。
 次に、個性輝くとちぎの地域づくりプロジェクトであります。
 わがまち協働推進事業を創設し、住民自らが主体となって取り組む地域づくり活動などに対し助成するとともに、「とちぎ食の回廊」につきましては、北関東自動車道開通に合わせPRイベントを開催するなど、県内外への情報発信に努めながら、各街道の連携の強化による魅力アップを図って参ります。
 また、地域の交流拠点である農産物直売所の顧客満足度の向上等に向けた支援を行いますとともに、「とちぎのふるさと田園風景百選」認定地域等における多様な主体の参画による美しい田園風景の保全活動等に対し助成することといたしました。
 第四は、「重点戦略3 未来につなぐ環境戦略」であります。
 まず、エコな暮らしの推進プロジェクトについて申し上げます。
 県民が環境について自ら学び、行動する機会や場を提供し、環境を守る人材の育成等を進めますとともに、県有車両への電気自動車の導入や充電スタンドの設置に対する助成などによりEV・PHVタウン構想の着実な推進を図るほか、一般住宅向け太陽光発電システム等の普及を促進して参ります。
 次に、環境を起点とする活力の創出プロジェクトであります。
 温泉熱の利活用、農山村地域における水路等を活用した小水力発電や太陽光発電の導入など、地域資源を活かしたエネルギーの地産地消を促進するほか、減農薬等に加え二酸化炭素削減等にも取り組む「エコ農業とちぎ」の推進、トラック輸送のエコドライブと交通事故防止のための機器導入等に対する助成を行うことといたしました。
 また、森林資源の循環利用を促進するため、森林整備加速化・林業再生基金を活用し、県産出材を一定割合以上使用した木造住宅の建設、林内路網整備や木材加工流通施設の整備等に対し助成して参ります。
 次に、人と自然が共生するとちぎの実現プロジェクトであります。
 とちぎの元気な森づくり県民税を活用し、引き続き間伐による荒廃した奥山林の整備を図るとともに、市町村が行う身近な里山林の整備や森林ボランティア活動、公共施設の木質化等に対し助成を行って参ります。
 また、本年5月にオープンする「那須平成の森」をフィールドとした自然体験活動を推進するなど、とちぎの豊かな自然環境の保全にも取り組んでいく考えであります。
 さらに、「生物多様性とちぎ戦略」に基づき、里地里山や湿地の保全などを推進するとともに、イノシシの捕獲目標頭数を 8,000頭に増やし、農作物への被害防止等に積極的に取り組んでいくことといたしました。
 第五は、経済・雇用対策であります。
 現下の厳しい経済・雇用情勢に鑑み、重点的に取り組んでいくこととしたところであります。
 国の経済対策による基金の活用により、介護や環境・エネルギーなどの成長分野等における雇用・就業機会の創出及び地域のニーズに応じた人材育成を図るとともに、「とちぎ求職者総合支援センター」を活用し、生活や就労の相談にきめ細かく応じるなど、引き続き、離職者等の支援を推進して参ります。特に、県による直接雇用も含め、OJT(職場実習)とOFF-JT(外部研修)を組み合わせた「とちぎ就職応援プログラム」を実施し、未就職卒業者及び若年者の就労を支援して参ります。
 中小企業への金融支援では、借換資金の充実を図りますとともに、「緊急円高貸付」を創設することといたしました。
 第六は、とちぎづくり戦略の推進に向けてであります。
 まず、身近な社会資本と生活基盤の整備につきましては、「とちぎ未来開拓プログラム」に沿って、平成23年度当初予算において必要額を確保するとともに、県単公共事業費を2月補正予算に計上するなど切れ目のない景気下支え対策に取り組んでいくことといたしました。
 次に、自律的な行財政基盤の確立について申し上げます。
 内部努力の徹底につきましては、プログラムの推進に当たり、県民の皆様に我慢や御負担をお願いすることを踏まえ、重点的に取り組んだところであります。
 組織改編や職員数の削減、特別職の報酬カット、職員給料の5%カットを継続するとともに、庁舎管理経費の節減、県債の発行方式の工夫による公債費の縮減などを引き続き行って参ります。
 次に、県税について、市町村との連携強化による徴収率の向上に引き続き取り組むほか、未利用県有地の売却推進や県有施設における自動販売機設置への一般競争入札の導入拡大など、歳入確保の取組を一層強化いたします。
 事務事業の見直しにつきましても、プログラムに沿ってスクラップアンドビルドを進め、行政経費の削減に努めたところであります。
 以上の基本的な考え方により編成いたしました結果、平成23年度一般会計予算の総額は、前年度比 3.7%減の 7,653億 8,000万円となりました。歳出・歳入全般にわたる取組により、財源不足に対応するための基金取崩し額につきましては、平成22年度の 122億円から78億円に圧縮することができたものであります。県税、地方交付税、地方譲与税等の歳入につきましては、現時点で見込み得る額を計上いたしました。
 なお、地方交付税の代替である臨時財政対策債の発行額が引き続き高水準であることから、年度末における県債残高は1兆 786億円となる見込みでありますが、臨時財政対策債を除く県債につきましては、投資的経費の抑制により発行額の抑制に努めた結果、年度末残高見込みが 7,092億円であり、平成22年度末見込みより 308億円減少させたところであります。
 以上、県政運営に当たっての所信の一端や予算編成の基本的な考え方について御説明申し上げましたが、ここに改めまして、議員各位の御理解と御協力をお願いいたします。

〔その他の議案〕

 次に、その他の議案について申し上げます。
 第2号議案から第11号議案までの10件は特別会計予算、第12号議案から第17号議案までの6件は企業会計予算であります。
  第18号議案から第31号議案までの14件は、条例の制定及び一部改正について、それぞれ議決を求めるものであります。
  第32号議案は、栃木県教育委員会委員岡田豊子氏の任期が来る2月24日に満了いたしますので、同氏を再任することについて、議会の同意を求めるものであります。
 第33号議案は、鹿沼市及び下都賀郡壬生町の境界を変更するため、議決を求めるものであります。
 第34号議案は、県が負担する土地改良事業に対し市町村が負担する金額について、議決を求めるものであります。
 第35号議案から第37号議案までの3件は、公の施設に係る指定管理者の指定について、それぞれ議決を求めるものであります。
 第38号議案は、包括外部監査契約の締結について、議決を求めるものであります。
 第39号議案は、国土利用計画栃木県計画の全部変更について、議決を求めるものであります。

〔平成22年度補正予算案等の概要〕

 次に、平成22年度補正予算案並びにその他の議案等について、御説明申し上げます。
 まず、第40号議案は、平成22年度一般会計補正予算であります。
 今回の補正予算は、国の経済対策のステップ2に呼応するとともに、予算の執行状況を精査の上、今後の安定的な財政運営の確保に配慮して編成したものであります。
 歳入につきましては、増収が見込まれる県税を増額するほか、国の補正予算に伴う交付金、交付額が確定した普通交付税、繰越金等を追加計上するとともに、財政調整基金等の取崩しの取り止めを行うことといたしました。
 歳出につきましては、国の交付金を活用し、県単公共事業費の追加や各種基金の積立てなどを行うとともに、平成21年度の決算剰余金の一部を財政調整基金に積み立てるほか、事業費の確定した経費について所要の補正を行うことといたしました。
 この結果、補正予算の総額は63億 7,282万円の減額となり、補正後の予算総額は 8,107億 6,366万円となります。
  次に、第41号議案から第46号議案までの6件は特別会計の補正予算、第47号議案から第52号議案までの6件は企業会計の補正予算であります。
 第53号議案から第59号議案までの7件は、条例の制定及び一部改正について、議決を求めるものであります。
 第60号議案から第63号議案までの4件は、県の行う建設事業等に対し市町村が負担する金額の変更等について、それぞれ議決を求めるものであります。
 第64号議案は工事請負契約の締結について、第65号議案は工事請負契約の変更について、それぞれ議決を求めるものであります。
 報告第1号は、地方自治法第 180条の規定による専決処分事項の報告であります。
 以上が、今回提出いたしました議案等の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、議決されますようお願い申し上げます。 

 

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