1 環境への負荷の少ない循環型の社会づくり

4 騒音・振動・悪臭の防止

1 騒音・振動・悪臭の状況

 従来、騒音や振動は自動車、鉄道、航空機、工場、建設作業、悪臭は工場・事業場などが主な発生源でしたが、ライフスタイルの多様化などに伴い、身近な生活からも発生するようになっています。

1 騒音の状況
 騒音については、一般居住環境騒音、航空機騒音、新幹線鉄道騒音について環境基準が定められており、地域の類型や時間帯によって区分されています。
 一般居住環境騒音について、すべての時間帯で環境基準を達成した地点の割合は、道路に面しない地域では77.4%、道路に面する地域では52.7%でした。
 新幹線鉄道騒音については、沿線15地点で調査しましたが、環境基準が達成された地点は1地点でした。

騒音の大きさの例

2 振動の状況
 振動については環境基準が定められていませんが、道路交通振動に関する道路管理者・県公安委員会への要請限度や、新幹線鉄道振動対策に係る国の指針値が定められています。
 道路交通振動の実態を主な国道・県道等の19地点で調査したところ、すべての地点で要請限度を下回りました。
 新幹線鉄道振動は、沿線7地点で調査した結果、指針値を超えた地点はありませんでした。

振動の大きさの例

3 悪臭の状況
 近年、都市地域の拡大により、住居と悪臭発生源が接近したことや、生活環境における快適さの欲求の高まりから、これまで容認されてきたにおいまで悪臭と感じてしまうようになってきています。
 15年度に県や市町村が受理した公害苦情のうち、悪臭関係の苦情件数は230件で、全体の13.5%を占めています。

2 騒音・振動・悪臭防止対策

1 騒音・振動防止対策
 特定の工場などから発生する騒音・振動の防止のために、法律や条例による規制や立入検査による指導を実施しています。
 また、中小企業者等による騒音・振動防止施設の設置・改善に対し、融資制度による支援を行っています。
 交通騒音に関しては、低騒音舗装や道路網・緑地帯の整備などの対策を講じています。
 東北縦貫自動車道や東北新幹線に関する騒音については、関係都県や市町村と連携して、管理者に対して騒音低減対策を要請しています。

2 悪臭防止対策
 「悪臭防止法」では、工場・事業場における事業活動に伴い発生するにおいのうち、アンモニア、アセトアルデヒドなどの22物質を特定悪臭物質として、地域を指定して規制を行っています。
 現在では、低濃度多成分による複合臭気に対応するため、従来の機器を用いた分析・測定方法に加え、人間の嗅覚を用いた測定法も採用できるようになっており、県ではその市町村への普及に努めています。
 また、工場などに対する立入検査による指導や中小企業者等による悪臭防止施設の設置・改善に対し、融資制度による支援を行っています。

3 音・かおり風景の保全
 無駄な音、迷惑がられる音である騒音を低減し、好ましい音環境を実現しようとする取組の一つとして、環境省では「残したい“日本の音風景100選”」を認定しており、県内では栃木市の「太平山あじさい坂の雨蛙」がこれに選ばれています。
 また、良好なかおりとその源となる自然や文化を保全・創出しようとする地域の取組を支援するために環境省が認定している「かおり風景100選」には、今市市の「今市竜蔵寺の藤と線香」、日光市の「日光霧降高原のニッコウキスゲ」及び那須町の「那須八幡のツツジ」が選ばれています。

 

前の項目へ

4/13

次の項目へ