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更新日:2017年9月21日

病原大腸菌(O157など)による食中毒に注意

腸管出血性大腸菌O157による食中毒が増えています。

 平成29年8月~9月の新聞報道のとおり、複数の自治体においてスーパーや飲食店で提供された食品を原因としたO157による食中毒が多発し、1名の死者が出ています。全国的にも夏季において、O157による食中毒が増加しています。

 O157は感染力、病原性が強く、とくに乳幼児や高齢者等が発症した場合、溶血性尿毒症症候群(HUS)等の重篤な症状を呈し、死亡することがあります。

 O157は牛などの家畜が保菌している場合があり、過去には牛肉を生や加熱不足で喫食したことによる死亡事例を含む食中毒事例が発生しています。これを受けて、平成23年に「生食用食肉に関する規格基準及び表示基準」が定められ、平成24年からは牛レバーを生食用として販売、提供することが禁止されています。

 また、汚染された食品や保菌している調理従事者からの二次汚染により、あらゆる食品が原因になる可能性があります。生野菜など加熱せずに喫食する食品によるO157食中毒も発生しています。

 O157による食中毒の予防には、調理従事者の適切な手洗い、生野菜などの食材の十分な洗浄・消毒、調理器具の適切な使い分け、十分な加熱調理などが重要です。

O157のイラスト病原大腸菌(O157など)はこんな菌

腸管出血性大腸菌O157の電子顕微鏡写真(腸管出血性大腸菌O157)

 

病原大腸菌の分類

  大腸菌(Encherichia coli)は、人を含む温血動物の腸管内部に存在する細菌で、本来病原性はありませんが、一部に人や動物に対して急性の下痢などの症状を起こすものがあり、これらを病原大腸菌(entero pathogenicEncherichia coli)と呼び、病原因子や症状により、以下の5つに分類されます。

  1. 腸管毒素性大腸菌(ETEC)
  2. 腸管病原性大腸菌(EPEC)
  3. 腸管侵入性大腸菌(EIEC)
  4. 腸管集合性(凝集接着性)大腸菌(EAggEC)
  5. 腸管出血性大腸菌(EHECまたはSTEC,VTEC):血清型によりさらにO26、O111、O157などに分類されます

 1~4は衛生状態の悪い地域で発生し、現在の日本での発症は少ないため、ここでは国内の発症が多い5の腸管出血性大腸菌O157を中心に掲載します。

細菌の所在

 動物の腸管内に生息し、糞便等を介して食品、飲料水を汚染します。

細菌の性質

 加熱に弱い

 低温で発育しない

 水中でも10日間前後生存

 わずかな菌数でも発病する(感染力が強い)

 感染者が使用したトイレなどから、同居家族などに二次感染することがある

 腸管出血性大腸菌は、ベロ毒素という毒素をつくるので若年齢層の子供などは重症化しやすい

主な原因食品例

 菌に汚染された肉や生レバー、加熱不足の肉や肉製品、生サラダ、水(未殺菌又は殺菌不十分な井戸水や湧水)など

 (過去の日本で発生した原因食品例)

 井戸水、牛肉、牛レバー刺し、ユッケ、ハンバーグ、牛角切りステーキ、牛タタキ、ローストビーフ、シカ肉、サラダ、

 キャベツ、メロン、白菜漬け、日本そば、シーフードソース、イクラ醤油漬、冷やしきゅうり(きゅうりの浅漬け)など。

主な症状

 下痢、腹痛、発熱、嘔吐など

 <腸管出血性大腸菌O157の場合>

 ・出血性大腸炎:激しい腹痛、水様下痢、血性下痢

 ・溶血性尿毒症症候群(HUS)

 血液中の赤血球が破壊されることによる溶血性貧血や血小板減少、急性腎不全など。

 重症化するとけいれん等の中枢神経症状が見られ、死に至ることもある。

潜伏期間

 3日~10日(腸管出血性大腸菌O157の場合)

O157のイラスト発生事例と予防のポイント

発生事例 焼肉チェーン店で発生した食中毒

 チェーン展開する焼肉店を利用した客から腸管出血性大腸菌O157及びO111の患者が発生した。最終的に100人を超える発症者(内5名が死亡)が発生した。調査の結果、焼肉店で提供されたユッケを原因とした大規模食中毒であった。

原因

 腸管出血性大腸菌で汚染された生肉を食べたため、感染したもの。

 ※現在は生食用食肉については、規格基準に適合したもの以外は提供できません。

発生事例2 きゅうりのゆかり和え

 老人介護施設で提供された食事を原因として腸管出血性大腸菌O157の集団食中毒が発生した。44名の発症者(内4名が死亡)が発生した。調査の結果、きゅうりのゆかり和えを原因とした食中毒であった。

原因

 腸管出血性大腸菌O157に汚染された食品を食べたため感染したもの。

 患者便、きゅうりのゆかり和えから腸管出血性大腸菌O157が検出されており、食材の洗浄が不十分であった可能性が指摘されている。

予防のポイント

  • 加熱調理のときには食品の中心部まで十分に加熱しましょう。(75℃以上 1分間以上加熱)
  • 生肉を調理する時は生肉専用の器具を使い 、生野菜を調理する器具と使い分けましょう。
  • 生肉を保管する場合は、他の食材と容器等を区別しましょう。    
  • 生食用野菜は使用の前に流水で十分洗いましょう。次亜塩素酸等で生野菜を殺菌することも効果的です。
  • 野菜は加熱等し、メニューを工夫して食べましょう。
  • 食品を扱う際には、手洗いや調理器具の洗浄を十分に実施しましょう。
  • 飲料水は適切に衛生管理を行ってください。特に、井戸水や受水槽の管理をしっかりと行いましょう。

感染が疑われるときは・・・

もし、万一、出血を伴う下痢を生じた場合には、以下の事項に気をつけて下さい。

  • ただちにかかりつけの医師の診察を受け、その指示に従って下さい。(特に乳幼児等はご注意ください)
  • 患者の糞便を処理するときには、使い捨て手袋を使用する等、衛生的に処理して下さい。
  • 患者の糞便に触れたときには、触れた部分を石鹸などで十分洗い流し、70%アルコール等で消毒して下さい。
  • 患者の糞便に汚染された衣服やタオル等は、煮沸や薬剤で消毒した上で、家族のものとは別に洗濯し、天日で十分に乾かして下さい。

 生食用食肉の取り扱い等について

 平成23年10月1日から、生食用食肉に関する規格基準及び表示基準が定められました。

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