
1 推進体制の整備等
廃棄物による環境への負荷を軽減するためには、廃棄物の発生を抑制するとともに、ものを再使用したり、再生利用していく循環型社会を形成することが重要です。
国では、リデュース(発生抑制)、リユース(再使用)及びリサイクル(再生利用)のいわゆる3Rを今後の廃棄物・リサイクル対策の基本理念として位置付け、「循環型社会形成推進基本法」をはじめ、「建設リサイクル法」、「自動車リサイクル法」などのリサイクル関連法を整備しました。
このような動きを受け、本県においても循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため「栃木県循環型社会推進本部」を設置し、15年3月には循環型社会形成の基本原則、役割分担、具体的な施策などを明示した「栃木県循環型社会推進指針」を策定しました。
また、この指針で示した「とちぎの地域循環モデル」の構築促進と本県における循環型社会の早期実現を図るため、地域循環モデル構築事業を実施しており、16年度は3団体に対して補助を行いました。

2 バイオマス総合利活用マスタープランの作成
本県におけるバイオマスの利活用を総合的に推進するため、17年3月に、バイオマス利活用の現状や今後の利活用の方策、県や市町村、県民などの役割分担等を明らかにした「とちぎ“バイオマスの環”推進プラン」を策定しました。今後、このプランに基づき、地域の特性を活かしたバイオマスの利活用を総合的に推進していきます。
3 リサイクル関連法への取組
17年1月から「自動車リサイクル法」が完全施行されることに伴い、関係事業者に対する現地調査や説明会を実施するとともに、テレビCM等により制度の概要について普及啓発を行いました。
また、建設リサイクルに関しては、建設副産物の有効利用について重点的に取り組み、建設発生土に係る公共工事土量調査の実施や「再加熱アスファルト混合物の利用基準」の策定などを行いました。

>>>拡大<<<

1 一般廃棄物の状況
一般廃棄物は、主に家庭から出されたごみとし尿からなり、ほとんどが市町村などの処理施設で処理されています。
15年度の本県のごみの排出量は79万tであり、うち76万t(96.1%)が市町村などで処理されています。
ごみ処理に要した年間の経費は281億円で、そのうち、建設・改良費が67億円、処理・維持管理費が214億円となっています。
資源化が可能なごみについては、自治会などによる集団回収が3万1千t、市町村などによる直接資源化が4万3千t、市町村などの清掃工場における資源化が6万7千tと、年間約14万tがリサイクルされています。
また、し尿(浄化槽汚泥を含む。)の排出量は46万1千kℓで、そのほとんどが市町村などで処理され、残りが自家処理されています。
2 産業廃棄物の状況
産業廃棄物は、農業、建設業、製造業などの事業活動に伴って排出される廃棄物であり、排出事業者が適正に処理する責任を負っていますが、一部には適切に処理されていない事例も見受けられます。
15年度の県内の産業廃棄物の推計総排出量は879万tであり、種類別にみると汚泥が363万tで最も多く、次いで動物のふん尿が299万tとなっています。
産業廃棄物の最終処分量は28万7千tでありその最終処分率は、再生利用や減量化が進んでいることから、ほとんどの種類で10%未満となっていますが、廃プラスチック類は21.7%と比較的高くなっています。
また、県内における産業廃棄物処理施設の設置数は、中間処理429施設、最終処分47施設(うち残余容量があるのは26施設)となっています。
ごみ処理の状況(15年度)

産業廃棄物排出推計量
(15年度・種類別)

産業廃棄物の処理状況


1 一般廃棄物対策
一般廃棄物の質の多様化と量の増大に対応するためには、ごみの減量化・再生利用を促進するとともに、処理施設の整備促進と維持管理の充実が重要です。
そのため、クリーンアップフェアなどのイベントやごみ減量化・リサイクル演劇、買い物袋を持参してレジ袋の削減を目指すマイ・バッグ・キャンペーンなどの普及啓発事業を実施しています。
また、ごみ処理の適正化を推進するために、ごみ処理施設及び最終処分場の整備や適正管理について市町村等を指導するとともに、「栃木県廃棄物処理計画」において広域行政圏を基礎とした10の地域ブロックを設定し、ごみ処理の広域化を進めています。
2 産業廃棄物対策
環境の保全を図り、循環型社会の形成を促進するため、産業廃棄物の適正処理対策や、下水汚泥の資源化、木材の残廃材や建設副産物の再生利用などに取り組んでいます。
(1) 産業廃棄物適正処理対策
廃棄物の排出事業者や処理業者に対し、研修会の開催や事業場などへの立入検査により、再生利用の促進、適正処理の指導・監視を行っています。
15年度は1,285件の立入検査を実施し、不適正処理等に対しては、許可の取消しや操業停止を含め、厳正に対処しています。
(2) 不法投棄対策
不法投棄や不適正な処理を防止するため、市町村と協力して不法投棄等の監視体制を整備しています。
また、不法投棄が多発する夜間・休日の監視パトロールや、ヘリコプターを利用したスカイパトロールを実施しているほか、15年度にはGPSを利用した廃棄物処理検証システムを導入するなど、不法投棄の未然防止に努めています。
(3) 資源化・再利用対策
下水道資源化工場では、県内の公共下水道や流域下水道の終末処理場において発生した下水汚泥から、建設資材とな
る溶融スラグを製造しており、製造されたスラグは15年度から下水道管渠工事で利用されています。
また、木質系資源の分野では、14年度に「栃木県木質資源循環利用推進指針」を策定し、15年度からは主に丸太を製材・加工する過程で発生する残廃材を対象に、再利用や再資源化の方法を検討する地域活動を推進しています。
さらに、建設工事から発生するアスファルト・コンクリート塊等の建設副産物の再資源化・再利用を促進するため、公共工事における建設副産物のリサイクルを推進しています。
