5 共通的基盤的施策の展開

 「環境への負荷の少ない循環型の社会づくり」、「人と自然が共生する潤いのある地域づくり」、「地球環境の保全に貢献する社会づくり」、そして「環境保全活動への積極的な参加」を実現するため、県では、各種環境保全の取組に共通し、その基盤となる施策を実施していきます。

1 栃木県生活環境の保全等に関する条例の制定
 今日の環境問題は、従来のような工場・事業場の産業活動に起因する公害に加えて、日常生活の伴う都市・生活型の公害や地球温暖化をはじめとする地球規模の環境問題など、多岐にわたっています。
 このような新たな環境問題に対応するため、「栃木県公害防止条例」を全面的に改正した「栃木県生活環境の保全等に関する条例」を制定し、16年10月14日に公布しました。
 条例では、公害の防止のための工場等に関する規制等として、

○特定有害物質管理基準の遵守
○悪臭の防止のための措置
○化学物質の適正な管理のための措置
○事故時における措置

について新たに規定しました。
 また、事業活動及び日常生活に伴う環境への負荷の低減を図るための措置として、

○地球温暖化の防止
○フロン類の排出の抑制
○自動車排出ガスの排出の抑制
○生活排水対策の推進
○日常生活等に伴う騒音等の防止
○環境物品等の調達の推進

について新たに規定しました。

クリックすると「栃木県生活環境の保全等に関する条例」総合案内のページが開きます

 県では、新たに追加された規定の内容等の概要を分かりやすく説明したパンフレット「栃木県生活環境の保全等に関する条例のあらまし」を無償で配布しているほか、ホームページ「とちぎの環境」に掲載しています。

2 環境影響評価の推進
 環境影響評価制度は、工業団地や住宅団地の造成など大規模な事業を行う際に、環境に及ぼす影響を事業者があらかじめ調査・予測・評価し、環境への影響をできる限り小さくしようとするものです。
 県では、従来の指導要綱の内容を拡充した「栃木県環境影響評価条例」を11年6月から施行し、その適切な運用に努めています。

3 調査及び研究の実施
 県内の環境汚染の実態把握と被害の未然防止を図るため、環境に関する試験研究機関である県保健環境センターにおいて、38種の揮発性有機化合物についての調査やシュミレーションによる県域の揮発性有機化合物濃度の計算などを行っています。

4 環境情報の整備・提供
 環境問題に関する県民の関心の高まりを受けて、環境に関する情報を分かりやすく正確に提供することが一層重要となっています。
 県では、大気、水、地盤環境などの調査データや環境保全に関するイベントの開催案内など様々な情報をホームページなどにより提供しています。

5 土地利用面からの環境配慮
 生活環境や自然環境に配慮し、かつ、地域の特性を活かした秩序ある土地利用を推進するため、「国土利用計画法」に基づき土地取引に係る利用目的等を審査するとともに、大規模な開発行為や建築行為に対して事前指導を行っています。

6 公害苦情処理
 16年度、県及び各市町村には1,758件、警察には883件の公害苦情が寄せられました。
 今後とも市町村などと協力し、迅速、適切な苦情処理に努めていきます。
 公害紛争に関しては、県公害審査会においてあっせん、調停などを行い、紛争の解決に努めています。

7 工場・事業場対策の推進
 公害関係規制法及び条例に基づき、工場・事業場に対して公害防止に関する規制を行うほか、環境保全資金による融資制度、環境保全講習会の開催、巡回指導などにより、環境保全への取組を支援しています。

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