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更新日:2021年2月11日
ここから本文です。
この資料は、県政記者クラブとの会見内容を広報課でまとめたものです。
日時:令和3(2021)年2月9日(火曜日)午前10時00分から
場所:県庁大会議室1
(発表事項)
1.令和3(2021)年度当初予算案の概要について
(質疑事項)
1.令和3(2021)年度当初予算編成について(その1)
2.令和3(2021)年度当初予算編成について(その2)
3.令和3(2021)年度当初予算編成について(その3)
4.令和3(2021)年度当初予算編成について(その4)
5.令和3(2021)年度当初予算編成について(その5)
6.令和3(2021)年度当初予算編成について(その6)
7.令和3(2021)年度当初予算編成について(その7)
8.令和3(2021)年度当初予算編成について(その8)
9.令和3(2021)年度当初予算編成について(その9)
10.令和3(2021)年度当初予算編成について(その10)
11.令和3(2021)年度当初予算編成について(その11)
12.令和3(2021)年度当初予算編成について(その12)
(※広報課注:当日配付した資料に基づき、知事が説明しております。「4 栃木県財政の推移」と「5 令和3(2021)年度当初予算の特徴」については、項目に資料1「令和3(2021)年度当初予算案の概要」のページ番号を付しています。なお、記者発表資料は、県ホームページに掲載しております。)
1.予算規模
1ページをお開きいただきたいと思います。まず予算規模についてですが、一般会計予算の規模は1兆154億円であり、新型コロナウイルス感染症への対応などにより、令和2年度と比べ、1,780億3,000万円、21.3%の増となりました。なお、当初予算で1兆円を超えるのは、県政史上初めてのことでございます。
特別会計は2,185億1,578万円で9.5%の減、企業会計は308億9,500万円で13.0%の増となっております。
2.予算編成の基本的考え方
次に、2ページの予算編成の基本的考え方についてでありますが、国は、3次補正予算と合わせて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に万全を期しつつ、デジタル社会・グリーン社会の実現や、全世代型社会保障制度の構築などの中長期的な課題にも対応することとしております。
また、地方財政計画では、地方交付税総額について、前年度を上回る額が確保されました。
こうした中、本県の令和3年度当初予算につきましては、県民の命と暮らしを守るための新型コロナウイルス感染症への対応、令和元年東日本台風被害からの復旧・復興、「とちぎ未来創造プラン」と「とちぎ創生15戦略(第2期)」の推進を図ることとして編成をいたしました。
3.予算構造
(1)歳入
次に、3ページの予算構造の歳入についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響等により、県税が120億円の減になるとともに、地方譲与税等も117億円の減となりました。
一方で、地方交付税と臨時財政対策債が合わせて238億円の増となりましたが、新型コロナウイルス感染症への対応経費の増等により引き続き財源不足が生じたため、県債管理基金の活用などにより所要財源の確保を図りました。基金の状況につきましては、後ほど資料4を御参照願いたいと思います。
なお、令和3年度末の県債残高は、右下に記載のとおり1兆2,216億円となる見込みであります。
(2)歳出
次に、4ページの予算構造の歳出についてでありますが、目的別では、商工費、教育費がそれぞれ全体の約2割を占めており、民生費がこれに続きます。
性質別では、職員費や医療福祉関係経費等の義務的経費が全体の5割を超えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業等の資金繰り支援を引き続き行うため、県単貸付金が大幅な増となり、全体の2割以上となります。
次に、5ページの投資的経費でありますが、補助・直轄事業が、災害復旧費の減等により減少した一方、単独事業は、県庁舎等長寿命化推進事業費の増等により増加いたしました。
次に、6ページの消費的経費についてでありますが、まず、義務的経費につきましては、職員費や公債償還費が減となりましたが、高齢化の進行等に伴い、医療福祉関係経費が増となったほか、税交付金なども増となっております。
その他の経費では、新型コロナウイルス感染症への対応のため、県単貸付金が大幅な増となるなど、全体的に増となっております。
4.栃木県財政の推移
次に、7ページの栃木県財政の推移についてあります。
ひし形の折れ線グラフで示している予算規模については、新型コロナウイルス感染症への対応のため大幅に増加しております。
また、県債残高につきましては、棒グラフで表しております。青色で表示してあります臨時財政対策債を除く県債残高の令和3年度末残高見込みは6,633億円となりました。
緑色で表示してあります臨時財政対策債の3年度末残高見込みは5,583億円であり、県債残高全体の45.7%を占めております。
なお、4年度以降の県債残高シミュレーションにつきましては、資料6を御覧願いたいと思います。
5.令和3(2021)年度当初予算の特徴
次に、8ページから「令和3年度当初予算の特徴」について説明いたします。
Iの「新型コロナウイルス感染症への対応」、IIの「令和元年東日本台風被害からの復旧・復興」、IIIの「『とちぎ未来創造プラン』と『とちぎ創生15戦略(第2期)』の推進」の3つを柱として、主な事業について記載しております。順次説明いたします。
I 新型コロナウイルス感染症への対応
9ページ、「新型コロナウイルス感染症への対応」についてでありますが、令和3年度当初予算額は、2,088億円であります。
まず、「県民の命を守る」取り組みでありますが、1の「医療提供体制の確保・検査体制の充実」として、入院病床等の確保に取り組むほか、PCR検査や抗原検査を実施するとともに、医療従事者応援金や医療機関協力金による支援を切れ目なく実施してまいります。
また、2の「感染拡大防止対策の徹底」では、円滑なワクチン接種のための体制を確保するほか、介護サービス事業所等のサービス継続を支援してまいります。
なお、組織面につきましては、新型コロナウイルス感染症への対応強化のため、保健福祉部に「感染症対策課」を設置し、感染拡大防止をはじめとする各種対策に全力を挙げて取り組んでまいります。
次に、「県民の暮らしを守る」取り組みでありますが、3の「県内事業者への支援」として、再起支援融資の創設などにより、中小企業の資金繰りを支援するとともに、離職者等の再就職や中小企業の採用活動を支援してまいります。
4の「安全・安心な観光地づくりの推進」では、三密回避の旅行商品を造成するほか、宿泊施設等を対象とした感染防止対策研修会を開催いたします。
5の「学びの保障のための環境整備」では、教員を補助する人員等の追加配置やICT環境の整備を進めてまいります。
6の「経済的負担の軽減や生活の下支え」では、授業料等の減免や奨学給付金の支給などにより、家計急変世帯の負担軽減を図ってまいります。
また、今後の緊急的な対策の備えとして、予備費を計上いたしました。
10ページから15ページまでは、ただいま説明しました「新型コロナウイルス感染症への対応」の主な事業を記載しておりますので、後ほど御覧いただきたいと思います。
II 令和元年東日本台風被害からの復旧・復興
次に、16ページをお開きいただきたいと思います。「令和元年東日本台風被害からの復旧・復興」について説明いたします。令和3年度当初予算額は、147億円であります。
主な事業といたしましては、(1)から(5)で、被災した河川の災害復旧や改良復旧等を進めていくほか、堆積土除去や調節池設置、堤防強化対策等に取り組み、災害の未然防止を図ってまいります。
(6)では、気候変動による集中豪雨が頻発する中、新たに、農村とその下流域の水害リスクの軽減を図るための基本構想を策定するとともに、市町におけるスマート田んぼダムの実証を支援してまいります。
また、(7)で、新たにSNSを活用した防災情報の発信を行うほか、地区防災計画の策定を支援するなど、県民の命を守るソフト対策にも注力し、災害に強いとちぎづくりを推進してまいります。
3.『とちぎ未来創造プラン』と『とちぎ創生15戦略(第2期)』の推進
次に、17ページをお開きください。「『とちぎ未来創造プラン』と『とちぎ創生15戦略』の推進について」御説明いたします。
なお、資料右上にあるSDGsのゴールは、各プロジェクトに関連が深いものを記載したものであります。
はじめに、とちぎ未来創造プランの重点戦略で第1の柱に位置付けている「人材育成戦略」であります。
まず、「とちぎの未来を担う人材育成プロジェクト」についてでありますが、「確かな学力と豊かな人間性、ふるさとを愛する心の育成」として、(1)で、新たに、学力定着に課題を抱える市町に学力向上コーディネーターを派遣するとともに、(3)で、全中学校区にスクールソーシャルワーカーを配置し、児童生徒のケースに応じた迅速かつ適切な対応を行うための体制を整備してまいります。
次に、18ページですが、(5)で、子ども総合科学館の改修を、(6)で、新青少年教育施設の整備を進めてまいります。また、「一人ひとりの可能性を伸ばす教育の推進」として、(7)で、インクルーシブ教育指導員を新たに配置するなど、発達障害等のある児童生徒に対する指導充実を図ってまいります。
続いて、19ページ、「新たな時代に対応した学びの推進と学校指導体制の整備」、「デジタル化に対応した資質・能力の育成」として、(13)で、新たに、私立中学高等学校連合会が行う県内私立学校のICT教育を推進するための取り組みを支援してまいります。
次に、20ページの「笑顔輝く子ども・子育て支援プロジェクト」であります。
「妊娠・出産、子育て支援の充実」として、(2)(3)で、不妊治療の支援拡充や保険適用外の不育症検査に対する助成制度の創設などにより、出産を希望する世帯を広く支援するほか、(5)で、認定こども園等に通う第3子以降の未就学児の副食費に対する支援を拡充してまいります。
21ページ、「貧困や虐待などの問題からすべての子どもを守り、支援する環境づくり」として、(9)で、里親制度の普及啓発や包括的な支援体制を構築するため、「栃木フォスタリング・センター」を新たに設置いたします。
次に、22ページの「スポーツ推進、歴史・文化芸術振興プロジェクト」では、「子どもの体力向上やスポーツによる健やかな体づくり」として、(1)で、新たに、WEBサイト「子どもの体力わくわく広場」を開設し、児童生徒が運動の楽しさや喜びを味わう機会を設けるとともに、体力向上エキスパートティーチャーの派遣や「とちまる体力アップ教室」の開催により、児童生徒一人一人の体力向上を図ってまいります。
(2)で、教員の働き方改革を進めるため、部活動指導員の配置を進めていくとともに、休日における部活動の段階的な地域移行に向けた実践研究に取り組んでまいります。
また、(4)で、参加型の新たなサイクルイベント「ぐるとち」を5月に開催いたします。
次に、23ページ、「いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会を通じた人づくり」として、(6)から(11)、24ページの(12)で、「いちご一会とちぎ国体」と「いちご一会とちぎ大会」の準備及び冬季国体の開催や選手の育成・強化等を行ってまいります。
また、24ページ、「とちぎの歴史や文化芸術を通じて地域を支える人づくり」では、(13)で、国体・障スポ版文化プログラムとして、地域の伝統芸能を生かしたオリジナルミュージカル公演の開催に向けた準備を進めてまいります。
(15)で、とちぎの文化の新たな魅力を創造・発信していくためのシンポジウム等を開催するほか、地域の文化活動のけん引役となる文化活動コーディネーターを養成してまいります。
また、(16)では、埋蔵文化財等を活用した栃木の魅力発信や地域づくりを推進してまいります。
25ページからは、「産業成長戦略」であります。
まず、「とちぎの明日を創る産業成長プロジェクト」についてでありますが、「次世代産業の創出・育成」として、(1)で、県内企業におけるAI等の導入や利活用を促進するため、新たにAIセンターを設置するとともに、AI等の未来技術を活用したスマートファクトリー化についても推進してまいります。
次に、26ページ、「サービス産業等中小企業・小規模事業者の発展支援」として、(3)で、新たなサービスと雇用を生み出すスタートアップ企業の創出を支援していくほか、(4)で、ポストコロナを見据えた中小企業のイノベーションを促進するため、新事業展開等を目指すサービス事業者に対するコンサルティング支援等を行ってまいります。
また、(5)で、制度融資に「再起支援融資」や「新型コロナウイルス感染症対策融資」などを創設し、県内中小企業を支援してまいります。
次に、27ページ、「ものづくり産業の戦略的な振興」として、(6)では、戦略3産業の振興を図るため、新たに、次世代自動車や空飛ぶクルマについて、事業化促進に向けた取り組みを支援するほか、未来技術を活用した次世代型医療・福祉機器の開発支援などを行ってまいります。
(7)では、ものづくり技術強化補助金に、いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会推進枠と新型コロナ対策製品開発支援枠を創設いたします。
また、(8)では、食品関連産業のさらなる振興を図るため、新たに、ヒット商品の創出に向けた専門家によるハンズオン支援や、生産性向上のための設備導入に対する助成などを行ってまいります。
28ページ、「企業立地・定着の促進」としては、(9)で、県内産業団地等への企業立地に対する補助率の引き上げ、国のサプライチェーン補助金の上乗せ助成、オフィス移転に対する助成などにより、企業誘致を積極的に推進してまいります。
また、「産業人材の確保・育成」では、新たに、(10)で、産業技術専門校における先進技術やIoT等に対応した訓練環境の整備を進めるとともに、(12)で、とちぎの特色ある産業で活躍する人材を育成するため、「とちぎ職業人材カレッジ」の構想策定に向けた検討会等を開催してまいります。
次に、29ページの「活力ある農林業実現プロジェクト」であります。
まず、「次代の農林業を拓く担い手の確保・育成」として、新たに、(1)で、県内農業高校との連携を視野に入れた、農業大学校におけるAIやVRなどを活用したデジタル農業教育の基盤整備を進めていくほか、(4)で、女性農業者のアグリビジネスモデルの創出を支援するなど、次代の農業を担う人材の確保・育成を推進してまいります。
また、(5)で、新たに、集落営農組織の合併や連携などを促進する「とちぎ広域営農システム」を構築するとともに、農地の集積・集約化を支援してまいります。
続いて、30ページでありますが、(6)で、栃木県林業大学校の整備を進めてまいります。
また、「成長産業として持続的に発展する農業の確立」では、(8)で、園芸大国とちぎの実現に向けて、AIを活用した、いちご新品種「とちあいか」の生育・収量予測ツールの開発や、いちごの新しい生産モデルの検討を行うほか、園芸メガ産地づくりに必要な取り組みや複数産地が連携した新たなサプライチェーンの構築等を支援してまいります。
(9)では、新たに、気候変動等に対応した農産物の安定供給を図るため、新品種開発に遺伝子情報やAIを活用するなど、革新的な研究開発を進めてまいります。
31ページ、(10)で、主食用米から新規需要米等への作付け転換を促進してまいります。
(12)で、県産食肉の品質向上等に向け、家畜情報などの活用を推進するとともに、(13)で、豚熱等の防疫対策を徹底してまいります。
(14)では、本県農産物のブランド力を強化するため、新たに、県オリジナル品種等のユニークセリングポイントの発掘・評価や、「とちぎの星」のプレミアム商品づくりを進めるとともに、「いちご王国・栃木」を県内外にPRするほか、首都圏や関西圏において、県産農産物の認知度向上や利用促進に向けたプロモーションを実施してまいります。
32ページですが、「未来技術の活用等による林業・木材産業の進化・成長」として、(15)で、新たに、航空レーザーによる測量や未来技術を活用したモデル事業を実施するなど、スマート林業の推進を図ってまいります。
33ページの「観光立県躍進プロジェクト」でありますが、「選ばれる観光地づくりの推進」として、(3)で、新たに、日光国立公園内を周遊するための電動アシストレンタサイクル等を導入するほか、体験コンテンツ等のアクティビティ情報の一元化を図るためのサイトやMaaSを活用した観光地における交通モデルを構築するなど、日光国立公園満喫プロジェクトの一層の推進を図ってまいります。
34ページ、「国内観光客の誘客強化」では、新たに、(5)で、デジタルプロモーションの専門的知見を活用したSNSによる観光情報の発信や位置情報システムデータを活用した分析などに取り組むほか、(6)で、関西圏における本県観光や特産品のプロモーションなどを実施してまいります。
次に、35ページ、「国際戦略推進プロジェクト」でありますが、まず、「外国人観光客の誘客強化」として、(1)で、新たに、SNSを活用した多言語による情報発信を行うほか、本県の豊富な自然資源を活用したアウトドアコンテンツやサイクリングを活用したテーマツーリズムを推進するなど、新型コロナウイルス感染症の状況を見極めつつ、インバウンドの強化を図ってまいります。
36ページ、(2)で、海外在住で現地において発信力や影響力のある本県関係者等による県産品や県産農産物、観光地の情報発信などを行うほか、(3)で、県産品等の販路拡大や観光誘客に向けた駐日大使等へのトップセールスを実施いたします。
また、「県内企業の海外展開支援」として、(4)で、県内企業等におけるグローバル人材の確保を支援するため、県内高等教育機関等のキャリアセンター職員を対象とした企業説明会を新たに開催いたします。
37ページ、「国際交流・協力の促進」として、(6)で、事前キャンプを行うハンガリーへの理解促進等を図るための動画作成やハンガリー関係者による文化教室を開催いたします。
また、「県産品・県産農産物の輸出促進」として、(8)で、「いちご」や「なし」、コメ、とちぎ和牛などの県産農産物の輸出拡大を図ってまいりますとともに、(9)で、加工食品等の輸出拡大に必要なHACCP等の規格などに対応した施設の整備等を支援してまいります。
続いて、38ページ、(10)で、ベトナムの現地バイヤーとオンライン商談会やプロモーションを実施するなど、本県産日本酒等の販路拡大を図ってまいります。
39ページからは、「健康長寿・共生戦略」であります。
まず、「人生100年健康いきいきプロジェクト」についてでありますが、「疾病の予防・早期発見の推進」として、(2)で、訪問看護ステーションの看護師等を対象とした循環器病在宅療養支援研修を実施するほか、ガイドブックを作成し、在宅療養の底上げを図ってまいります。
また、(3)で、口腔ケアによる感染症予防対策研修の実施や、口腔健康管理の普及啓発などにより、在宅歯科医療を推進してまいります。
40ページ、「生涯安心医療・介護プロジェクト」であります。
まず、「感染症等の発生にも備えた地域医療提供体制の整備・充実」として、新たに、(1)で、県外医学部進学者のUターンを促進するため、とちぎ地域医療支援センターサテライトを設置するほか、(2)で、勤務医の働き方改革を推進する医療機関等を支援してまいります。
また、「がんや生活習慣病等の治療が必要な方に対するライフステージ等に応じたきめ細かな支援」として、(3)で、新たに、思春期・若年成人世代を指すAYA世代のがん患者を支援するとともに、市町が行うアピアランスケア支援や在宅ターミナルケア支援に対し助成を行ってまいります。
41ページ、「地域包括ケアシステムの推進」として、(4)で、日本語教師等を対象とした介護に関する日本語指導者養成研修を実施し、外国人介護人材の資質向上と安定就労を後押しするとともに、(5)で、介護施設等の創設を条件に行う広域型施設の大規模改修や耐震化整備などを新たに支援してまいります。
また、枠内の「病院整備に対する助成」欄に記載のとおり、獨協医科大学日光医療センターの整備を支援してまいります。
次に、42ページ、「多様な人材活躍推進プロジェクト」であります。
まず、「あらゆる分野における女性の活躍推進」として、(1)で、新たに、理工系分野における女性人材活躍促進のため、県内企業や大学生・高校生を対象とした意識調査を実施いたします。
43ページ、「働きやすい環境づくりの推進」として、(8)で、働き方改革推進サポート講座を開催するほか、専門家派遣などにより、県内企業のテレワーク導入を支援してまいります。
44ページ、「誰一人取り残さない地域共生社会づくりプロジェクト」であります。
「誰もが安心して暮らすことができる環境づくり」として、(1)で、ICTの利活用による障害者の情報コミュニケーション支援を行うため、新たに、「障害者ICTサポートセンター」を設置いたします。
また、「多文化共生の推進」として、(3)で、新たに、災害時等の行政情報を外国人住民に伝達するキーパーソンを発掘・育成するとともに、総合調整会議の開催や日本語教育コーディネーターの配置により、地域における日本語教育を推進してまいります。
45ページからは、「安全・安心戦略」であります。
まず、「危機対応力強化プロジェクト」では、「災害から県民や地域を守る体制の充実・強化」として、(2)で、市町職員を対象とした、避難所の開設や運営に関する研修会を開催するほか、県民に対し、5段階の警戒レベルの一層の周知を図り、適切な避難行動の確保につなげてまいります。
(3)で、平時から、市町等との連絡会議を開催するとともに、災害時には、避難所に市町支援チームを派遣するなど、男女共同参画の視点による被災者支援を行ってまいります。
46ページ、「県土強靭化プロジェクト」であります。
まず、「災害に強く県民の命と暮らしを守る社会資本の整備推進」でありますが、(1)から(5)は、令和元年東日本台風被害からの復旧・復興で説明したとおりでございます。
47ページ、「社会資本の老朽化対策の推進」として、(9)で、警察本部庁舎の計画的な改修を進めてまいります。48ページ、「暮らしの安全・安心向上プロジェクト」であります。
「犯罪の未然防止・検挙による安全な地域づくり」として、(3)で、新たに、ダークウェブ捜査のための専用端末等の整備やサイバー捜査の中核となる捜査員に対する研修を実施してまいります。
49ページからは、「地域・環境戦略」であります。
まず、「ふるさとの魅力向上プロジェクト」では、「とちぎへの愛着や誇りの醸成と『栃木ファン』の創出・拡大」として、(1)で、「47(そこ)から始まる栃木県プロジェクト」によるデジタルマーケティングを活用した本県の魅力発信などにより、ブランド力の向上を図ってまいります。
また、「新たな人の流れの創出や地域資源を生かした地域振興の促進」として、(4)で、新たに、オンラインでの合同移住・仕事相談会や移住セミナーを開催するなど、本県へのUIJターンの促進や関係人口の創出を図ってまいります。
50ページですが、(7)で、都市住民と農村地域住民の交流促進のため、グリーン・ツーリズムや協働活動のマッチングなどを進めてまいります。
51ページですが、(10)で、新たに、民間資金等を活用して都市公園の魅力向上を図るとともに、みかも山公園の枯損木の伐採や樹種転換を行い、景観の向上を図ってまいります。
また、「『分散型社会』の構築促進」として、(12)で、本県への移住に向けたお試しテレワークやお試しサテライトオフィスの設置を推進してまいります。
次に、52ページ、「暮らしやすい『まち』づくりプロジェクト」では、「地域の特性に応じたコンパクトな拠点の形成」として、(1)で、集落の維持・再生を図るために市町が取り組む「小さな拠点」の形成等を支援するとともに、(2)で、地域づくり団体等の地方創生に向けた取り組みを支援してまいります。
また、「公共交通サービスの確保・充実」として、(3)で、無人運転移動サービスの導入に向けた公道走行実験等を実施し、公共交通の維持充実や利便性の向上を図ってまいります。
53ページ、「環境にやさしい持続可能な地域づくりプロジェクト」であります。
「地域資源を生かした自立・分散型エネルギー社会の構築」として、(2)で、新たに、PPAモデルにより自家消費型太陽光発電設備を導入する事業者の急速充電器の設置を支援し、災害時における地域電源を確保してまいります。
「気候変動による影響に対する適応策の推進」では、(3)で、新たに、産学官による気候変動連携フォーラムを設置するほか、県内中小企業等が行う気候変動対策に資する新たな取り組みや適応ビジネス創出のための研究開発等を支援してまいります。
また、「資源循環の推進」として、(4)で、小学校の修学旅行におけるエコバッグの活用やスポーツ競技の要素を加えたごみ拾い大会の開催等により、プラスチックごみの削減に取り組んでまいります。
54ページ、「人と自然が共生する地域づくり」として、(6)で、シカやイノシシの生息数の減少を図るため、引き続き、捕獲奨励のための有害捕獲従事者に対する助成を行ってまいります。
次に、55ページ、「未来技術を活用した新しいとちぎづくりプロジェクト」であります。
「地域の課題解決に向けた未来技術の活用に対する支援」として、(3)で、地域のさまざまな課題と、デジタルによる解決手法を持つ企業や大学等とのマッチングを図り、実証実験なども取り入れながら課題を解決する仕組みである「デジタルハブ」を構築いたします。
56ページは、「産業成長戦略」等で説明したとおりであります。
57ページですが、「デジタル・ガバメントの推進」として、(9)で、都道府県では初めてとなるCMOを設置するほか、研修や業務環境最適化のための調査を行い、「新たな日常」に対応した、本県のデジタルトランスフォーメーションを推進してまいります。
(10)では、引き続き、デジタルマーケティングアドバイザー等を配置し、デジタルマーケティング事業の実施やその効果検証を全庁的に進めるとともに、市町におけるデジタル技術の活用等を推進してまいります。
また、(11)で、チャットボット等の導入やテレワーク体制の拡充を進め、デジタル県庁の実現を図ってまいります。
なお、組織面につきましては、「デジタル戦略室」を「デジタル戦略課」に改編強化し、本県のデジタル化を強力に推進してまいります。
58ページからは、「とちぎ未来創造プランの推進に向けて」であります。
「(1) 中期的な視点に立った財政運営」でありますが、県債につきましては、引き続き、適切な発行に努めてまいります。また、発行に当たりましては、市場公募等による超長期債を活用するなど、将来負担の低減を図ってまいります。
次に、「(2) 歳入確保に向けた取組の推進」についてでありますが、県税につきましては、個人住民税の市町との協働徴収を全ての県税事務所で引き続き実施するなど、収入未済額の減少に向け全力で取り組んでまいります。
また、総合運動公園内の東エリア運動施設や武道館にネーミングライツを導入するとともに、ふるさと納税を推進するほか、使用料・手数料の新設・改定等を適切に行います。
次に、「(3) 事務事業の見直し等」についてでありますが、各部局の主体的判断に基づく事務事業の見直しを進めてまいります。なお、事務事業の見直し等につきましての詳細は、後ほど資料7を御覧願いたいと思います。
次のページの「(4) 公共施設等の適切管理と総合的な利活用」についてでありますが、「栃木県公共施設等総合管理基本方針」に基づき、施設類型ごとに取り組み状況を適切に進捗管理してまいります。また、未利用財産の処分や貸し付けに引き続き取り組むなど、県有財産の総合的な利活用を推進してまいります。
最後に、「(5) 効果的・効率的な県政運営の推進」についてでありますが、ICTを活用した定型業務等の省力化・効率化を進め、県民への直接的なサービス提供などの業務に注力していくとともに、行政手続きのデジタル化等を推進し、県民等の利便性の向上に取り組んでまいります。
また、組織改編の内容につきましては、後ほど資料9を御覧願いたいと思います。
さて、これまで予算の概要を説明してまいりましたが、令和3年度当初予算の特徴を一言で申し上げますと、「未来につなぐ とちぎ創造予算」と命名したいと思います。
以上で、当初予算案についての説明を終わります。
次に、60ページ、国の「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」への対応についてであります。2月補正における対応は、422億1,435万円となります。
主な事業といたしましては、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止策」では、重点医療機関の体制等整備を支援するとともに、障害者支援施設等の個室化等の整備を支援してまいります。
次に、「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」では、職業系専門高校におけるデジタル化に向けた産業教育設備を整備するほか、国の「GIGAスクール構想」に基づき、低所得世帯の高校生に貸与するためのタブレット端末を整備してまいります。
続いて、61ページでありますが、県内ものづくり企業の生産性向上を図るため、産業技術センターの施設整備などを行うとともに、林業・木材産業の体質強化に向けた施設等整備を支援するほか、意欲的な地域の担い手を対象とした農業用機械等の導入を支援してまいります。
また、「防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保」では、河川の改良復旧をはじめとする公共事業を実施するとともに、県営最終処分場の整備を進めてまいります。
なお、2月補正の詳細につきましては、この後行う「令和2年度2月補正予算案」の記者発表で、財政課長が説明いたします。
以上で、私からの説明は終了いたします。
記者:御説明ありがとうございました。私からは1点質問させていただきます。
20年度は、新型コロナの影響で、各種イベントをはじめ予定どおりに実施できなかった事業があったかと思われます。21年度予算の中で、こうしたコロナの影響を踏まえて、予算計上したもの、あるいは事業内容を精査したものがございましたら教えてください。よろしくお願いいたします。
知事:令和3年度のコロナの影響を踏まえての予算計上項目ですが、令和2年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響によって、海外展開に関するものや対面を要するものなどについて、予定どおり実施できない事業がありました。
このため、令和3年度においては、オンラインでの実施など実施方法の見直しを行うことといたしました。
また、新型コロナウイルス感染症に対応できるよう、その他の継続的な事業などについては、要求の段階から各部局の主体的な見直しを推進して事業の選択と集中を図り、全体的に事業内容の精査を行ったところでございます。
具体的な事業の例です。「とちぎの酒海外展開促進事業」ですが、現地プロモーション事業としては、県内蔵元と現地バイヤーとの商談会の実施。バイヤー招聘事業としては、オンライン方式商談会の導入。いずれも令和2年度は実施しておりません。
さらに、「とちぎ結婚サポート事業」につきましては、会員登録のオンライン化。
「とちぎUIJターン・定住促進・関係人口創出事業」につきましては、移住セミナーをオンラインにシフトする。
こういった見直しをして、令和2年度は実施できなかった事業も令和3年度は実施してまいりたいと思っております。
記者:ありがとうございました。
記者:一般会計予算が過去最大ということで、初めて1兆円の大台を超えたということだと思います。この点について、知事の受け止めを教えてください。
知事:栃木県の予算が1兆円を超えるということは全く想定をしておりませんでしたので、1兆円を当初予算で超えると、令和2年度については補正予算を加えますと総額で1兆円を超えているわけですので予測はできなくもありませんでしたが、いざ初めて超えるというのは、私にとっても驚きであります。それだけ、コロナの猛威というものが。2,000億円を超える予算額となっていますので、そういう状況になっていると考えております。予算は最大限実効性を高めて、栃木の安全・安心、そしてまた感染防止対策、さらには県土の強靭化など、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
記者:ありがとうございます。どうしてもコロナで出費がかさむという部分や、財政的に厳しいという面があると思いますが、一時的に出費が増えることに関しては致し方がないという認識でよろしいでしょうか。
知事:これは命に関わる問題ですので、コロナ感染対策と災害への対応については、県民の命を守るため最優先の施策・事業として取り組まざるを得ませんので、出費が増えていく、予算額が増していくのはやむを得ないと思っております。
記者:ありがとうございます。
記者:資料の中にSDGsのマークを付けていただいたと思うのですが、このSDGsと県の予算の関連性というか、今後、このSDGsを県の施策にどのように生かしていきたいか、知事としての考えをお聞かせください。
知事:「持続可能な開発目標」と言われていますが、経済成長を優先してきた従来型の価値観からの転換を図って、誰もが尊厳を持って生きることができ、経済、社会、環境の3側面が調和した、持続可能で誰一人取り残さない社会の実現を目指して取り組むべき世界共通の目標ということになっております。
本県のプランにつきましても、初めてSDGsの考え方を取り入れたものでありますが、「とちぎ未来創造プラン」では、その理念を県民に理解してもらえるよう分かりやすく説明するとともに、プランに掲げる18のプロジェクトとSDGsの各ゴールとの関係性を整理いたしました。
例えば、ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」やゴール8「働きがいも経済成長も」などの関連では、あらゆる分野で女性がリーダーとして活躍するための能力開発への支援、男女が共に家事・育児・介護を行う気運の醸成などに取り組んでまいります。
また、ゴール12「つくる責任つかう責任」やゴール14「海の豊かさを守ろう」などの関連では、使い捨てプラスチックの使用削減及び再生材や再生可能資源の利用促進などに取り組んでまいります。
県民をはじめ、地域社会を構成する多様な主体と県がこの理念と目標を共有しながら、SDGsの達成に向けて、プランに掲げる18のプロジェクトに位置付けた取り組みを積極的に推進してまいりたいと思います。
記者:今回の予算を一言で表すと「未来につなぐ とちぎ創造予算」と命名されたと思います。この命名に当たっての思いを教えてください。
知事:デジタル社会を見据えて、災害に強い県土づくりも含めてですが、誰もがどこに住んでいても、障害があろうとなかろうと、年齢に関係なく、安心して生活できる社会をつくっていきたい。そういう思いを込めて、地域の課題を解決するためのデジタル技術なども積極的に導入しながら、25市町と連携をし、県民の皆様方と協働で取り組む栃木県という思いを込めて、今回はこの「未来につなぐ とちぎ創造予算」と命名したところでございます。
記者:ありがとうございました。
記者:知事、今回の予算編成は、昨年の知事選後初めての予算編成となります。当時、知事選で掲げた公約を、今回の予算にどれほど盛り込むことができたのか、あらためて自己評価をお伺いします。
知事:政策集に掲げたものの中で、新規項目は75項目あります。
そこで、進捗の度合いは差がありますが、実現に向けて着手したものは65、予算化も含めてですが、今回、予算化に向けては61予算化していまして、もう既に今日まで取り組んだものを含めますと、65項目が、進捗の度合いは違いますが着手済みということに、新年度でなります。残り10項目が持ち越しとなりますので、それらの項目の達成に向けて、順次検討を進めてまいりたいと思います。
記者:ありがとうございます。
続いて、現在の財政状況についてお伺いしたいのですが、本年度、コロナの影響で県税収入が落ち込んでいる。一方で、県債の発行額、残高も高くなるところで、財源不足も発生している。現在の本県の財政の立ち位置について、知事はどう捉えていらっしゃいますか。
知事:この後、中期財政収支見込みについて財政課長から説明があると思いますが、大変厳しい状況が続いております。
特に、令和元年東日本台風からの復旧・復興、そしてまた国の「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」への呼応、新型コロナウイルス感染症対策、こういったことから用意しなければならない予算が多額になっているという問題があります。
一方で、感染症の影響で県税収入は減っているわけでございますので、入るものが入ってこないで、出ていくものは出ていくという構図になっていますから、大変厳しい状況だと思います。
がしかし、いつまでもこういう状態が続くとは思っておりませんので、経済の好転を見越しながら、県債発行額を減らすなどに努めて、行革にもしっかり取り組みながら、財政の健全化を図るとしっかりイメージした上で、予算執行に取り組んでまいりたいと思います。
記者:ありがとうございました。
記者:今、知事は行政改革に取り組むとおっしゃいました。175の事業を見直して、廃止や見直しによって47億円を削減した、浮かせた金は47億円ということですけれども、果たして事業の廃止・見直しは十分だったのかどうか。そして、県議会も含めですが、外からの目で事業仕分けをする必要があると今お考えになっているか、あるいは検討しているのか、そこをお聞かせいただけますか。
知事:今回の予算編成では、先ほども申し上げましたように、各部局ごとに、予算要求をする場合には、十分な優先順位を見極めた上で重点化を図るということの中での取捨選択において、予算化したということになっているわけでございます。これからも検討しながら、事務事業の見直しについてはしっかり取り組んでいかなければならないと思いますし、職員の定数などについても、今日まで定数減に向けて取り組んできましたが、残念ながら、災害などが発生し、コロナも含めてですけれども、技術部門の強化をしなければならない、あるいは保健所機能も高めていかなければならないということで、一元削減一辺倒では残念ながら行政の責任を果たせないという状況になっておりまして、人員削減で予算の確保を図っていくということではない。
今御指摘がありましたように、事務事業の見直し、あるいは県有地の有効活用などによって取り組まなければならないと思っておりますし、ネーミングライツなども、枠はわずかではありますが、そういうものの考え方を一人一人が持った上で行政の効率化に努めていきたい、行政の無駄を省いていきたいと思います。
記者:分かりました。ありがとうございました。
記者:私からは新型コロナウイルス感染症への対応に関して伺いたいのですが、資料9ページになりますが、下の「県民の暮らしを守る」という項目の中のことについて伺います。
「県内事業者への支援」とか、「経済的負担の軽減や生活の下支え」といったベースになる部分があるのと、観光地づくりと教育分野への施策がこの4項目に入っているかと思います。コロナ禍で教育と観光という分野の充実に取り組んでいく、そのような認識でよろしいのでしょうか。観光、教育という分野に関して、ここで取り上げている意図、背景、知事の思いを伺えればと思います。
知事:教育につきましては、所得の格差が教育の格差に結び付かないようにしていかなければなりませんので、所得の低い世帯の子どもについては、先ほど申し上げましたようにタブレットを優先的に1台配布し、本来の学習がしやすい取り組みを行って教育環境を確保していきたい、学びの保障をしていきたいと思っています。
観光事業については、本県産業の大きな柱の一つでございますし、大勢の方に、本来ならば、栃木に日帰りあるいは宿泊を伴って外国の方も含めておいで願いたいということで施策・事業を進めてまいりましたが、今日の状況で、残念ながらそれがかなわないという事態であります。
この状態がいつまでも続いていけば事業を継続できなくなってしまいますので、そうならないように、感染防止対策にしっかり取り組んでいきたい、そしてお客様に安心してお泊まりいただくようにしていきたいと考えております。感染防止対策研修会などをしっかり行って、喜んで安心してお泊まりいただける環境づくりにさらに取り組んでまいりたいと思います。
記者:ありがとうございます。
記者:先ほどの概要の説明の中でも、かなりかいつまんで事業の説明をしていただいたとは思うのですが、事業の中から、知事が、こういった事業をやるので県民の皆さんに注目してほしいとか、こういう事業をやります、こういうことを知ってほしいといったような事業を幾つか挙げてもらえないでしょうか。
知事:先ほど申し上げましたが、「県民の命と暮らしを『守る』」においては、県外医学部進学者のUターン促進、そのために東日本と西日本に地域医療支援センターサテライトを設置して、栃木県に縁のある医学部生などを栃木に呼び込みたい、栃木で働いてもらいたいといった新たな取り組みをし、医療現場の拡充に努めてまいりたい。
また、本県が力を伸ばしていくためには、AI、IoT、ロボットといった未来技術を活用したスマートファクトリー化を支援して、ものづくり栃木のさらなる繁栄・発展につなげていきたい。
また、「新たな価値を『創る』」においては、地域の課題をデジタル技術で解決する仕組みである「デジタルハブ」を構築してまいります。
「つなぐ」取り組みでは、里親養育の包括的な支援を行う「栃木フォスタリング・センター(仮称)」を設置し、里親制度についての内容の拡充を図ってまいります。
また、カーボンニュートラルに向けて、「次世代活性化プロジェクト」で、PPAモデルによって自家消費型太陽光発電設備を導入する事業者への支援を図ります。これは投資がゼロで、給電設備など施設の電気を無料で使えるようにし、なおかつ給電サービスができるような仕組みをつくるというものですが、これらを新たに着目してもらいたい項目として事業化いたしました。
記者:ありがとうございました。
記者:これまでの質問と重なる部分もあると思うのですが、今回の予算案の全体的な知事の評価をあらためてお聞かせください。
知事:「未来につなぐ とちぎ創造予算」と形容しましたが、 私自身が選挙期間中多くの方々とお会いして、さまざまな方から地域の課題についても聞いてまいりました。それらを政策プラスアルファで令和3年度の予算はその中に数多く盛り込んできたわけですが、私自身もこの予算の評価については、「未来への『メ』をしっかり予算」、「メ」は「木の芽」それから「eye」と両方です。
令和2年度予算は「未来を切り拓いたで賞」ということで予算を評価しました、その賞に値すると。今年はその先を行きまして「未来への『メ(芽・目)』」は、しっかりと地域や行政を見る、課題を見つけるという意味での「メ」でございます。「未来への『メ』をしっかり予算」と評価したいと思います。
記者:今回は、緊急事態宣言下で、予算案の最終的なまとめという作業をされたと思うのですが、何か御苦労された点などがありましたらお聞かせください。
知事:効果的な感染症対策をして、収束させていくために今後どうすべきかということは暗中模索、手探りの状態です。災害の場合には、台風が去ってしまえばあとは直せばいいだけ、あるいは被災している方、避難をしている方が早く家に戻ってこられるためにはどうしたらいいかということを考えて予算とスケジュールを考えることができるのですが、残念ながらこの感染症対策は答えがないんですよね。ですので、想定し得る最大限効果的なものを拾って予算化するという作業になりました。特に関係部局はそういうことになったと思います。
しかし、それが本当に効果的かどうかというのは、やってみないと分からないものですから、予算は膨らみましたが、これからの執行について効果を上げることについての課題は、予算化の中で進めていくことになる。
しかし、せっかく組んだ予算ですので、最大限の効果を見出し得る予算でありたいと思います。
記者:ありがとうございました。
記者:少し細かい話になってしまうのですが、資料の3ページの諸収入が、20年度の666億円から2,400億円に大きく増えているのですが、これはどういった要因で増えているものなのでしょうか。
知事:制度融資。
記者:制度融資は、入ってくるお金と。分かりました。
事務局(財政課長):制度融資ですが、令和2年度の補正予算等々で、パワーアップ資金であるとか県単融資とかをつくって貸し付けをしているのですが、制度上、金融機関に預けて、県のお金と金融機関が出すお金とを合わせて事業者に貸し付けるという形になっているのです。金融機関と事業者側との間ではずっと貸し付けた状況になっているのですが、県と金融機関の間では、年度末に1回戻ってきて、また継続しているものは貸し付ける、金融機関に渡す。年度末と当初で返ってきてまた出していくという形を取るものですから、継続して貸し付ける分は、1回県と金融機関との中では返ってきてまた出していくという形になりますので、どうしてもそれが続いている間は膨らんでしまうという形になります。
記者:分かりました。ありがとうございます。
もう1点お聞きしたいのが、52ページのLRTの補助金ですが、先日、宇都宮市さんの方から事業費が膨らむというお話があって、それに呼応した部分というのは、今回の予算ではあるのでしょうか。
知事:予算の中には入っていません。
記者:入っていない。では、現状まだ精査中というか、対応を検討中ということでよろしいですか。
知事:毎年の支出(ルール化されたもの)については当然考えていますが、それ以上膨らんだ分については全く反映されていないということです。
記者:分かりました。
もう1点、中期財政収支見込みで、細かいところは後で伺いたいと思うのですが、今この見込みを見ると、25年度の年度末で財政調整的基金が119億円まで減る見通しということです。知事が就任されてもう17年になると思うのですが、その中でもかなり低い水準になるのかなと思うのですが、この見通しについて、あらためて受け止めを聞かせていただけますか。
知事:先ほども申し上げましたが、昨年12月の閣議決定で、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に呼応していかなければならない。それから経済的な落ち込みで税収が入ってこない。こういったことから基金を取り崩した。それから高齢者等の福祉の経費も毎年増えている。そういうことからすると、資料5のとおり、財源不足が生じて基金を崩していくということになる。一方で、県債残高も増えていってしまう。その両方が、この後令和7年くらいまで続いていくだろうと。
がしかし、その中で、経済の持ち直しや大規模建設事業の実施ということから、基金の涵養や県債を減額していく取り組みになっていくのは、令和7年ごろを越えてかなという見通しをしております。
記者:ありがとうございます。
記者:私からは、財政状況と予算編成の関係で伺いたいのですが、今、コロナで県税収入が落ち込んでいる中で、コロナ対策は出費がかさんでいまして、知事も先ほど、財政状況について大変厳しい状況だとおっしゃいました。
その中で「未来につなぐ とちぎ創造予算」と命名されましたけれど、新年度から「未来創造プラン」が始まるということも意識しての命名だと思います。未来創造プランが新年度からスタートするということで、積極的に政策を打っていきたかったと思うのですが、窮屈な予算編成になった中で、十分に本来打ちたいと思っていた政策が打てたとお考えでしょうか。
知事:「とちぎ未来創造プラン」に位置付けたもの、それから「15戦略」については2年目でございますが、ここは最優先で取り組む施策・事業ですので、そこにしわ寄せさせないで成果を上げるという方の選択をいたしましたので、特別そこに今回コロナの枠でしわ寄せをしたということはないと認識しています。
記者:創造プランや15戦略とは関わらないところで、本来打ちたい政策で諦めざるを得なかった部分はありますか。
知事:私の政策の中では、総合防災拠点を整備しますと。そのことについては今回残念ながら予算化していませんが、新年度、県全体の防災拠点等を見直しながら、新たに総合スポーツゾーン中でどういう役割が果たせるのかなども踏まえて、今後、防災拠点施設なども含めて、体制を整えるようにしていきたいと思いますので。「とちぎ未来創造プラン」、それから「15戦略」、これらの主要事業についてのしわ寄せはしていませんけれども、私の政策の中に掲げたものについては、先ほど申し上げましたように、10の事業が未着手になっております。その中の1つが今申し上げたものです。これについては今後、新年度の中で検討していきたいと思います。
記者:ありがとうございます。
もう1点伺いたいのですが、新型コロナとの闘いはいつまで続くか収束が見通せません。窮屈な予算編成は今後も続いていくことになると思うのですが、その中で知事が今後留意していく点はどういうところにあるとお考えでしょうか。
知事:まずは命を守ることが最優先ですけれども、感染拡大を抑え込んで経済を活性化させていくことが必要だと思います。そして、企業活動の活発化を図っていかなければならないと思います。
がしかし、首都圏と近接しておりますので、栃木県内だけ感染拡大が収まったからといって首都圏との流れが活発化するわけではありません。首都圏の感染拡大を抑えて共に経済を回していくということにしない限りは、茨城・群馬を含めて栃木に来るお客さんは7割が首都圏などですから、そこからのお客さんが来なければ当然売り上げは上がらないということになってしまいます。多くの企業は今テレワークの在宅勤務です。大企業は特に仕事(テレワーク)をされていると思いますが、それは効率が変わっていくのか、逆に低下してしまうのか分かりませんが、しかし、最も企業が活動しやすい環境をサポートしていかなければなりません。そこで初めて経済が活性化されるものだと思います。その上で、税収などにも結び付けていくことができればありがたいと思っています。それをいち早く立ち直る機会を取り戻すために検討していきたいと思います。
記者:ありがとうございました。
記者:確認ですが、最大の目玉事業というのは医学部生のUターン事業ということでよろしいでしょうか。
知事:デジタルハブ(事業費)ですかね。
記者:分かりました。ありがとうございます。
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