今日の環境問題を解決するには、県民、事業者、行政のすべての主体が、環境問題についての理解と認識を深め、自主的に環境保全活動に取り組むことが必要です。
このため、県では、事業者が環境に配慮した事業活動を行うよう支援するほか、県民の環境学習・環境保全活動を支援するため、各種の普及啓発事業を行い、それぞれの立場に応じた環境保全活動への積極的な参加を促します。

企業が環境に関する方針や目標等を自ら設定し、これらの達成に向けて自主的に取り組む、いわゆる「環境マネジメントシステム」は、今日の環境問題を解決していく上で
たいへん有効な手法です。このため、県内の企業・市町村を対象に、ISO14001認証取得を支援するためのセミナーや説明会を実施するほか、中小企業の認証取得のための融資を行っています。また、県保健環境センターに認証取得相談窓口を設置しました。

1 環境学習推進体制の整備
県民一人ひとりが環境との関わりについて理解し、日常の生活で環境にやさしい行動を実践していくためには、体系的・総合的な環境学習を進めることが必要です。
県では、13年3月に策定した「栃木県環境学習推進指針」に基づき、各種施策に取り組んでいます。
環境に関する各分野の専門家を「環境学習指導者」として委嘱し、環境保全の講習会や学習会等へ派遣するほか、14年度は教育現場等での指導者を対象とした環境学習プログラム(中学校・高等学校編)を作成したり、環境問題に興味・関心を持つ児童が、自主的な調べ学習をする際の参考書「とちぎ環境辞典」を作成し、県内小学校等に配布しました。
2 環境学習推進事業の充実
小・中学校において効果的な環境教育を進めるため、教員を対象とした指導者研修を実施しました。
また、県民が自発的に行う環境学習への取組を支援するため、
ホームページ「とちぎの環境」に、「環境クイズ」「環境家計簿」を新たに掲載したほか、県内の環境学習関連施設の情報も充実させました。
3 自主的な環境保全活動への支援
子どもたちの自主的な環境学習・環境保全活動の場である「こどもエコクラブ」は、全国的にも活動の広がりをみせていますが、14年度は、県内で50クラブ、1,161人の子どもたちが参加しました。
県では、コンテストを開催し
、創意・工夫にあふれた活動を表彰したり、各クラブの活動報告書を作成・配布するなど、こどもエコクラブの活動を支援しています。
また、子どもとその保護者が、体験活動を通して、楽しみながら環境への興味や関心を深める「こども環境探検隊」を県内2か所で実施しました。
4 普及啓発活動の推進
環境問題に関する県民意識の高揚を図るため、テレビ、ラジオなど各種メディアを通し、環境保全活動を紹介する番組などで広報を行うとともに、環境についてわかりやすく伝える情報誌「とちぎエコ通信」を発行しました。
また、環境展、クリーンアップフェア等の普及啓発イベントを実施しました。
さらに、県が提供する環境関連情報を地域に広める一方、環境施策に関する意見を提出したり、アンケートに回答する「とちぎエコサポーター
」を公募し、地域への情報提供等に努めています。14年度は、48名に委嘱しました。 |