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更新日:2025年5月3日

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とちぎ県民だより5月号〔あじさい〕

県オリジナル7品種 どれがお好み?とちぎのあじさい

   初夏の風物詩・あじさいは、近年「母の日」ギフトとしても人気です。本県が開発した、珍しい八重咲き※のあじさい7品種をご紹介します。ぜひお気に入りを見つけてみてください。

※花びらが重なって咲くこと

7品種のあじさい

   赤い縁取りが特徴で、2024年から販売を開始した3品種です。咲き進むと装飾花(そうしょくか)※の色の変化が楽しめます。

※めしべ・おしべが退化し、がくが広がり花びらのように見える部分

◆品種登録出願中

◆「ジャパンフラワーセレクション2024-2025」入賞

キャンディポップ

   赤い縁取りに深みのある濃いピンクの装飾花は、とても華やか!小さいながら存在感のある装飾花が、まるでキャンディが散らばるように咲きます。

 

ジュエリーポップ

   淡い色合いの装飾花が、手毬(てまり)型にまとまります。コロンとした花房に一つ一つの装飾花の赤い縁取りが入るさまは、まるでカットしたジュエリーのよう!

 

 

 

スターポップ

   赤い縁取りのある大振りの装飾花が、星のように見えることから名付けられました。

 

 

 

 

 

きらきら星

   本県が初めて開発した、八重咲きで白い縁取りが美しいあじさい。キャッチコピー“あなたの願いがきっと叶う”には、開発に携わった人たちの思いが込められています。色はブルーのほか、「母の日」に人気のピンクもあります。

◆品種登録:2015年

◆「ジャパンフラワーセレクション2014-2015」入賞、

「2014F&G ジャパンセレクション」鉢花部門第2位、

「新花コンテスト 2014」園芸文化協会長賞受賞

 

エンジェルリング

   紫がかった濃いピンクに天使の輪のような白の縁取りを持つ装飾花が印象的。華やかながら、株全体がコンパクトなので、飾りやすいのも特長です。

◆品種登録:2025年

◆「ジャパンフラワーセレクション2021-2022」入賞

 

 

パラソルロマン

   イチゴミルクのような淡い色合いのグラデーションと、傘を広げたようなふんわりした花房が目印。一房に約200もの装飾花を咲かせます。

◆品種登録:2025年

◆「ジャパンフラワーセレクション2021-2022」ベスト・フラワー(優秀賞)、モーストジョイ特別賞同時受賞

 

プリンセスリング

   幅広い白の縁取りの装飾花は、濃い赤紫から白のグラデーションが特徴。おとぎ話のプリンセスのドレスのようなゴージャスさが魅力です。

◆品種登録:2025年

◆「ジャパンフラワーセレクション2021-2022」入賞

 

 

 

あじさい開発者インタビュー

   自治体で7品種ものあじさいを開発した例は、全国的にも珍しいです。そこで、品種開発を手掛けた「栃木県農業総合研究センター」の花き研究室長・小玉雅晴さんと同研究員・西川史さんに開発秘話を聞きました。

※所属部署、役職は3月時点のものです

 

どうして県ではあじさいの開発に力を入れているのですか?

小玉さん(以下/小玉)

   もともと、本県は全国有数のシクラメンの産地でした。シクラメンは12月に出荷されるので、その生産施設を効率的に活用できる鉢花として、初夏に出荷するあじさいの生産が盛んになりました。バブル崩壊の影響であじさいの価格が下落したことから、一時は生産も減少しました。2000年頃になると、八重咲きのあじさいの希少性から市場での価値が高まり、県での研究が始まりました。

西川さん(以下/西川)

   当時、あじさいが八重咲きになるメカニズムは解明されていませんでした。交配をして種から育て、2年後に花が咲くまでどのような色・形になるか分からず、研究には多くの時間と手間が必要でした。

小玉

   一時は研究開発計画が縮小・中断したこともありました。しかし、交配し保存していた株の中に、八重咲きで白い縁のある、これまでにないあじさいが発見されたのです。これが、2015年に品種登録された県初の品種「きらきら星」です。ここから、本県によるあじさい開発が再スタートしました。

きらきら星(ピンク)

西川

   その後も新品種の開発を進め、2018年にはイチゴミルクカラーの「パラソルロマン」を、2019年には濃いピンクに白い縁取りが入った「エンジェルリング」「プリンセスリング」を品種登録出願※しました。ピンク系でボリューム感のある各品種は、まさに「母の日にピッタリ」という声を多くいただくようになりました。

※いずれも2025年1月に品種登録済み

2024年発表の3品種はどのように誕生したのですか?

小玉

   鉢花はトレンドの移り変わりが激しいため、新たなコンセプトの品種を検討していました。そこで次に考えたのが、「縁に赤いラインの入った八重咲きを作れないか」ということでした。縁に赤い線が入ることで、花びら1枚1枚の存在感が際立ち、株全体がより華やかで豪華な印象になると考え生まれたのが、2024年に販売を開始した「ポップシリーズ」です。

左からキャンディポップ、スターポップ、ジュエリーポップ

小玉

   開発にあたり、新技術の「DNAマーカー」が導入されました。本県が宇都宮大学や国の研究機構などと協力して開発したもので、苗の遺伝子型を調べることで八重咲きかどうかを識別できるようになりました。

西川

   八重咲きの苗だけを選抜できるようになったことで、育成する苗の数が従来の4分の1程度になるなど、労力や栽培面積・コストの面でも画期的な技術でした。

花が長持ちするコツや育て方を教えてください!

西川

   屋内の直射日光が当たらない場所に置いて、表面の土が乾いたらたっぷり水やりをし、受け皿には水がたまらないように管理してください。

小玉

   病気の心配はほとんどありませんが、ハダニ予防のため、葉の裏側に適宜スプレーなどで水を吹きかけると効果的です。8月中旬頃まで花を楽しんだら、翌年のために花を切ってください。世話を続ければ、わき芽が伸びて、翌年も花を楽しめます。

これからどのようなあじさいを作りたいですか?

西川

   見た目の美しさはもちろんですが、病気に強く、生産者にとっても育てやすい品種を開発して全国に広めていきたいと思っています。

小玉

   現在はボリュームのあるものがギフト用に好まれる傾向にありますが、今後、首都圏での販路を広げていくためには、場所を選ばず飾れる、よりコンパクトなあじさいの需要も見込まれると考えています。これからも、トレンドを予測しながら“とちぎならではのあじさい”を開発していきます。

株の状態をチェックする小玉さん

どこで買えるの?

   今回ご紹介した品種は、4月中旬~5月上旬に多く出荷されます。取り扱いについては、近隣の生花店やインターネットショップにお問い合わせください。なお、とちぎ花センターでも販売しています。

今年で130周年を迎えます

  「栃木県農業総合研究センター」は、1895年に「栃木県立農事試験場」として創設され、今年で130周年を迎えます。これからも、新品種の育成や栽培技術の改善など数多くの研究・技術開発を進め、本県農業の発展に力を入れていきます。

 

 

企画展「アジサイ展」

   とちぎ花センター内のとちはなちゃんドームでは、5月10日(土曜日)~6月1日(日曜日)に全国各地のご当地あじさいを観賞できます。入館料は大人500円(6~2月は400円)、子ども110円。

開催期間中のイベント

(1)あじさいのハーバリウム   5月17日(土曜日)

(2)あじさいをつかった寄せ植え   5月18日(日曜日)

時間:午前10時30分~、午後1時30分~

申し込み:要予約(各回15名/先着)

料金:(1)2,000円   (2)3,000円

問い合わせ:とちぎ花センター(栃木市)TEL0282-55-5775

▼詳しくはこちら

https://www.florence.jp/

お問い合わせ

経営技術課 広報担当

〒320-8501 宇都宮市塙田1-1-20 県庁舎本館12階

電話番号:028-623-2319

Email:agriinfo@pref.tochigi.lg.jp

広報課

〒320-8501 宇都宮市塙田1-1-20 県庁舎本館3階

電話番号:028-623-2192

ファックス番号:028-623-2160

Email:kouhou@pref.tochigi.lg.jp

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