とちぎ県民だより12月号〔郷土の誇りとちぎ和牛〕

食卓にとちぎのごちそうを！

郷土の誇り「とちぎ和牛」を味わおう！

本県が誇るブランド牛「とちぎ和牛」。その飼育のこだわりとおいしさを、生産者や料理人から聞きました。知ればもっと食べたくなる、とちぎの逸品です。

とちぎ和牛とは？

県内の指定生産者が丹精込めて育てた黒毛和牛で、品質の格付けが上位に限られたもののみに与えられるブランドです。ストレスの少ない環境とこだわりの飼料で育てられた牛肉は、きめ細かな霜降りが美しく、軟らかく風味豊か。まさに“ 肉の芸術品” ！

育てる栃木の風土と人の手が育んだ、まさに“地元の恵みの結晶”

とちぎ和牛の生産者・町井さんにとちぎ和牛の特徴を聞きました。

「サラリとした脂のうま味は、とちぎ和牛ならでは。味わいの理由の一つが、地元・栃木の稲わらを食べて育つという飼育環境にあります。さらに、牛を大きく育てるために与える稲を発酵させた飼料も、地元の水田で作られたもの。栄養豊富な配合飼料にはお米も含まれています。

こうした地元の農作物を活用した飼育が、牛の健康を支えるだけではなく、肉質にも深く影響しています。

また、牛の排せつ物から作られる堆肥は、お米やいちご農家などに供給され、農作物の土づくりに活用されています。とちぎ和牛の生産は、このような自然の循環により支えられています。ぜひ、食卓で栃木の自然を感じて味わってみてください。」

“牛肉の品評会”で全国1位に輝いた名人町井一貴さん(鹿沼市）

元自動車販売店勤務の町井さんは、そこで培った“目の前のことに一生懸命取り組むこと”を大切に、牛の肥育に専念して12年。今年度の全国および県内の肉質を競う品評会において、とちぎ和牛で最高位を受賞するなど、一頭一頭への細やかな目配りと誠実な姿勢で高品質な牛肉づくりに励んでいます。

おいしさのヒミツ！「超音波肉質診断」

県では、農業団体と協力しながら、農家を訪問して肉質の向上に取り組んでいます。超音波を活用して肉牛の発育状況やサシの入り具合を診断するなど、技術面で生産者をサポート！こうした取組の積み重ねが、とちぎ和牛の確かな品質と深い味わいを生み出しています。

「和牛」と「国産牛」の違い

日本固有の4品種〔黒毛和種・褐毛（あかげ）和種・日本短角種・無角和種〕が和牛として表示できます。とちぎ和牛をはじめとする「黒毛和種」が、和牛の約9割を占めています。

品種や生まれた土地に関係なく、生まれてから出荷までの間、最も長く日本で飼育された牛のことを指します。

食べる豊かなコクとうま味が魅力！さっぱりとした脂の甘さを味わって

おいしいとちぎ和牛を味わってほしいとの思いから、とちぎ和牛のメニューを数多く提供する「まつ坂」(大田原市)の代表取締役を務める常世利佳(とこよりか)さんにその魅力とおいしい食べ方を聞きました。

「とちぎ和牛の魅力は、豊かなコク・香りと味の良さ、そして何よりさっぱりとした脂身です。脂の融点が低いので、ステーキで味わうと口の中でとろける食感が楽しめます。家庭でステーキを焼くときは、焼く30分前に冷蔵庫から出して室温に戻しておくと、焼きムラを防ぐことができます。レア、ミディアム、ウェルダンと、焼き具合に好みはありますが、どの焼き具合でも最初はしっかりと両面を焼くのがうま味を閉じ込めるコツ。焼き色もステーキのおいしさなので、強めの火加減でしっかり焼きましょう。

味付けは、市販のステーキソースも良いですが、とちぎ和牛の味わいを存分に感じたいなら、まずは軽く塩を振るだけで味わってみて。肉の味の良さ、脂の甘さをダイレクトに感じることができますよ。ぜひ家族皆さんで、そのおいしさを味わってください。」