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更新日:2024年4月12日
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~精密測定で社会に貢献する~
代表者名 | 工場長 若狭 泰助 |
企業所在地 | 栃木県宇都宮市清原工業団地24 |
連絡先 |
028-667-4811 |
これまでの受賞・認証歴 | 平成30(2018)年10月 安全衛生に係る栃木労働局長表彰 奨励賞 令和5(2023)年10月 安全衛生に係る栃木労働局長表彰 優良賞 |
お話 |
工場長 若狭 泰助 さん |
企業概要 |
創立: 昭和9(1934)年10月22日 |
A. 「健康と労働安全推進委員会」を中心に、「災害の未然防止」と「従業員の健康促進」に取り組んでいます。
特に力を入れているのが以下の活動です。
(1) KY(危険予知):毎月1回各職場単位でKYT(危険予知トレーニング)を実施します。各職場で実際に行う作業を題材に取り上げることで、日頃の作業におけるKYの感受性を高めます。さらに高めた感受性を活かし非定常作業前にもKYを行うことを心がけています。以前は一般に広く使用されている例題や事例集により実施していましたが、実際に作業する職場に近い環境でトレーニングを行うようにしたことで、さらに感受性が高まっています。
(2)RA(リスクアセスメント):先ずは全ての設備に対して3段階で大まかなリスク査定を行い、工場全体のハザードマップを作成します。その中から優先度の高い順で年間活動計画に落とし込みます。設備のRA対策は設備改造を伴うなど手間もかかるので、コツコツと継続的に行うことが重要です。また、工場内の設備数は膨大であり、自社で製造しているものも多数あるため、常に客観的な視点で査定を行うことも重要です。
(3)ヒヤリハット:大事には至らなかったものの危ないと感じたことについては改善を行います。特に重要性の高い事象については、委員会メンバーと発生職場が一緒になって、現地現物で対策を協議します。
(4)安全パトロール:各職場から選任された「安全衛生推進委員」で毎月実施しますが、一方的な指摘とならないように受ける職場の意見も聞き入れ、お互いに納得したものを是正対象としています。
(5)改善提案活動:小さなことでも良いので職場を良くすることを各人が積極的に提案し、毎月1回、良い提案には表彰を行います。これは安全だけに特化した活動ではありませんが、従業員一人ひとりが主体的に考え行動し、また話しやすい職場環境構築などの風土作りに役立っています。また、この活動は若手従業員が中心となり推進し提案の審査も行うことで、若い世代へより良い職場環境作りへの意識が浸透・向上しています。
(6)健康増進:生活習慣病予防では保健師・栄養士と連携し指導の機会を設けています。THP(トータルヘルスプロモーションプラン)活動として体力測定やナイトエクササイズを実施し“健康で長く働き続けられる”取り組みを行っています。
(7)メンタルヘルスケア:外部カウンセラーによる相談室の開設や、職制向け「メンタルヘルスマネジメントセミナー」「コミュニケーション能力向上研修」を実施し、従業員同士で声掛けしやすい環境を整備して“生き生きとした風土”の構築に努めています。
A. ミツトヨグループの役員及び従業員が守るべき倫理的な判断・行動基準の一つに「明るく、安全で働きやすい職場環境の維持、向上を図るとともに、労災や過労死、メンタル不全(うつ病等)の防止に万全を尽くす」という内容が定められているように、会社全体として従業員の安全や健康を第一に考えています。この基準は、小冊子にまとめられ従業員が常に携帯し大切にしています。また、入社時の研修以来常に安全衛生や職場環境向上への意識を高める活動を続けています。
そういった土壌のもとで皆で議論を交わしながら、状況の変化に応じた活動内容に少しずつ変えてきました。以前は「安全衛生は上層部が管理するもの」というトップダウンの意識でしたが、近年は「従業員みんなで考えるもの」というボトムアップ的な意識も加わっています。
A. 従業員一人ひとりがより主体的に行動するようになってきていると感じます。
また、ミツトヨ清原工場では操業以来41年間、無休業災害記録を現在も更新し続けています。
A. 弊社他工場で起きた災害や日頃の作業中に体験する「ヒヤリハット」を従業員全員で共有し、「いつかは自身が災害の当事者になるかもしれない」という健全な危機意識を持ってもらうようにしています。清原工場内だけでなく、宇都宮市内の弊社測器工場やMC工場とも連携し、対策や検証について厳しい目で議論を交わすこともあります。
その上で安全対策は「作業者の意識」だけで成立させるのではなく「誰でも守れる仕組みに落とし込む」ことを心がけています。例えば「台車での運搬作業」であれば「荷崩れしないように注意する」ではなく「安全な量しか積載できない安定した台車を用いる」ということです。現場検証により原因の根本まで突き止め、解消することを重視しています。
健康面でも病気になる前の予防に重点を置き、自身の身体を大事にする・仲間の身体も大事にするという意識を持って自発的に取り組んでもらえるように考えています。
また、弊社の社是である“「良い環境」「良い人間」「良い技術」~ものづくりの前に人づくり、人づくりのためには環境づくり~”は、組織において優れた環境が土台にあることで人が育つということを伝えており、この環境を大切にする意識を常に持ち続けています。
A. 定常作業におけるヒヤリハットは減っていると思いますが、非定常作業においてはリスクを十分に想定できていない部分がまだ多いと思います。一人ひとりが安全衛生のアンテナを磨き、「想定外を想定する」ためにKYやRAのレベルを上げていくことが重要と思っています。当面の目標は無休業災害記録の1千万時間達成で、2025年春頃に到達する見込みです。安全衛生意識のレベルアップと働きやすい環境の維持向上に全員が取り組み、従業員が安心して働けて笑顔で家に帰ることができる真の「ゼロ災工場」を目指します。
A. 「精密測定で社会に貢献する」を経営理念に掲げる弊社にとって、安全は品質とともに最も重要な基盤ですし、それらの源泉は従業員一人ひとりの健康です。安全は1日にして、そして決まった取組をすることで達成できるものではありません。そのため、取組の継続と工場長をはじめとするトップからの発信、そして従業員一人ひとりへの意識浸透が重要です。
これからも社会環境の変化に応じた労働安全衛生活動を従業員一丸で展開して参ります。
(取材:宇都宮労政事務所 取材年月日:令和6(2024)年2月5日、更新年月日:令和6(2024)年4月一部更新)
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